雨のち湯気の一日のお話です

　昨日は朝から、雨の音でした。
雪には、なりませんでした。
椿のつぼみさんも、かすかに色をにじませております。



寒中の雨は、甘露とか。
甘露さんが、先週の残雪さんを、溶かしました。



残雪の元締めさんまで、溶け出しました。
午後は、晴れましたので、現場に出ました。



宵の口から、雲が出て、お月様が隠れました。
帰りが、少し遅くなりました。
所用で寄った友人宅で、湯豆腐を頂いてしまったのです。

おいしい湯豆腐さんでした。
一切が美味でしたが、特に薬味なる、手作り柚子胡椒さんが、絶妙でした。
三年寝かしただけのことはあります。

お箸の先に、三年の歳月が、ちょこんと乗っております。
ちょこんとのったその一点から、あらゆる方向に、芳香を放ちます。
お鍋さんから立ち上る、豊かな湯気さんに、感謝して頂きました。

柚子胡椒は、柚子の皮だけをすりおろす作業に、手間がかかるとか。
その手間を惜しまなければ、どなたにも、この幸いは訪れます。
手間を惜しまない心が、歳月の有り難味を、豊かに深めます。



ねこやなぎさんも、ふくらみ始めました。
この一日の、手間を惜しまず。
冬の日を大切に、過ごしてまいります。
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