ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

見晴らしの丘の石垣再生です

2012-05-28 06:53:59 | 茨城の復興・石の現場から
 見晴らしの良い高台におります。
里川の清流を囲む、常陸太田市町屋地区。
歴史のある住宅の裏手の斜面は、鎮守の森さんにつながっています。



今朝は、現場の近況のご報告です。
大震災で崩れた石垣の再生について、ご提案させて頂きました。
全て、現場にころがっている石さんたちを生かすというものです。
石さんたちの声を聞き、性格に合わせて入念に、かつ手早く積み上げます。



土圧のストレスを軽くするために、崩れ落ちた土砂を、適切に移動します。
そして、低い石垣を幾重にも重ねて、どこかで見たような景色に。
それは、昔なつかし棚田や段々畑の石垣さんの姿。
足元を平らにして、後々の草刈作業がお楽な段々です。

 この仕事も、見えないところが大事。
地面の中に、大小の石を程よく取り混ぜて、しっかり背後を支えています。
モグラさんにも、木の根さんにもタフで、排水も良好です。



 お施主さんが、お庭のギボウシさんを移植しました。
当初は、コンクリートの土留め工事ご検討されたそうです。
地盤が良いところですから、石垣が崩れた原因は、石にあるのではなく、施工の問題でした。
資材を再利用する、昔ながらの仕事は、自然さんになじむものです。



手仕事の石垣さんは、見た目以上に丈夫で長持ち、時間を経るほどに、味わいが生まれます。
随所に石段をこしらえれば、楽しく歩ける、思いがけないお庭空間にもなり得ます。
適度な湿り気もありますので、近くのユキノシタさんを移植すれば、ひとりでに群落になります。
花の時期には、一面が、神秘的なメルヘンの世界になるはず。



もっと楽しく歩けるように、スロープさんも併設しました。
登り坂の途中には、被災した大谷石を化粧直しして、楽しく休めるように、ベンチをひとつ。
今は土が裸ですが、これから適度な草さんたちに根を張って頂いて、徐々に安定します。



すぐ脇には、フキさんが元気に繁っています。
歩くところ以外は、こんな感じもいいものです。



最上部は、大ケヤキさんに挟まれていますので、石段になります。
さすがに石が足りず、最小限の石を補充しました。



もともとある、太い根っこさんという先輩方に配慮しながら、石段さんが共生できれば幸いです。
石段さんも石垣さんも、かけがえのないお道具であり、原風景における、土木的アンティークです。
ですから、愛情こめて、折々の撫で撫でが、とても大切です。

 撫で撫でに関しましては、先日のラジオで、岩崎紘昌さんが、手油のお話をしていました。
アンティークには、手油が一番。
大切に愛情を込める人の手油で、アンティークは末永く生きていけるのだと。
それは、赤ちゃんを撫でる親心に通じるとのお話。

そして、生きていくアンティークだからこそ、触れるたびに人々に元気が湧いてくる。
全てに通じるお話かもしれません。

石の仕事のその後も、やはり、愛が一番です。
大切な愛が芽生えるような仕事であること。
この道を、青葉も精進して参ります。



工事中に満開だったヤマブキさんです。
深い青葉の空に浮かぶ、小さな星。
果てしない途上ですが、今日も地道に歩いてまいります。
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