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『一命』世界41カ国公開決定 - 週刊シネママガジン
2011年10月15日(土)、『一命』の初日舞台挨拶が行われ、フランス、ドイツ、オーストリア、スイス、ギリシャ、ロシアなど、世界41カ国で公開が決定したことが発表された。市川海老蔵主演の時代劇で、3Dの公開となる。舞台挨拶には瑛太、満島ひかり(黒地に古典柄の吉祥柄、奈良しょっ紅錦の帯という着物で登壇)、三池崇史監督が出席した。

『一命』を観てきた。

『一命』を観るにあたって、心の準備のために『十三人の刺客』を借りて観た。

準備が必要であったのは、一つ、懸念事項があったからだ。

三池崇史

「DEAD OR ALIVE」は鮮烈であった。

「驚愕のラスト・・・」との触れ込みを、聞いて観たにも関わらず、緻密に作り上げた世界をラストで覆したその潔さは爽快であった。

後にも、先にも、これを超えるものは、もう出ないであろう。

だが、その後がいけない。

私の映画の見方は、お気に入りの女優を追いかけて観るか、気に入った作品があると、その監督の映画を追って観る。

だが、「DEAD OR ALIVE 2」を皮切りに、どの作品を観ても後悔の連続であった。

「おふざけ」が始まると、ツボが違うので、一気に冷めてしまうのだ。

だが、映画自体が全くつまらない訳ではないので、しばらくするとまた別のを観てみたくなるのだが、「ゼブラーマン」を最後に、パタリとその意欲も失せた。

しかし、たまたま見た「十三人の刺客」の予告には、「今までとはちょっと違うぞ?」と、思わせる何かがあった。

「普通に作れば、普通に面白いじゃないか。」

それが、観た後の、素直な感想であった。

後半の「チャンパラ」シーンは、特に奇をてらった演出があるわけでもないのだが、観ていて飽きない。

これには、かなりの力量を要すると思われる。


最近の、テレビドラマを映画化して、安易に集客を図る傾向は嫌いだ。大嫌いだ。

収益を上げるのは、勿論、必須条件だ。

だが、それのみを大上段に構え、安易な、安全な方向にばかり走ってしまうと、大切なもの、本質的なものが、どんどん双方から失われて行ってしまう。

「映画が力を持っていた頃には、当たり前に出来ていたことが、段々と難しくなって来ている。この映画が成功するかどうかが、これからの日本映画の可能性にかかっている。是非、皆さんもこの映画を宣伝して欲しい。」

三池監督の、その風貌に似合わぬ真摯な語り口に、甚く心を打たれた。

「そうだよな。オレなんかより、彼らの方が、その思いは何千倍も強いよな。」


『一命』は、素敵な映画である。

三池崇史が好きな人も、苦手な人も、三池崇史って誰?的な人も、是非見てほしい。


P.S.

これからは、三池監督の映画は、全て劇場で観ます。


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