未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




『スマグラー』初日に妻夫木聡が打倒!三谷幸喜宣言「何としてでも今週でガッツリとる」
真鍋昌平の人気コミックを映画化した『スマグラー おまえの未来を運べ』の初日舞台挨拶が10月22日、新宿バルト9で行われ、出演者の妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信、阿部力、我修院達也と、石井克人監督が登壇した。

『スマグラー』を観てきた。

残念ながら、今回は舞台挨拶のチケットが手に入らなかった。

本当に、数秒で売り切れていた。

かなり、ヘコんだ。

だったらなにも、初日に行く必要はないのだが、そこはファンの心意気、そして、初日に行けずに、次週には小さいスクリーンに移ってしまって悔しい思いをしたことが何度かあるので、頑張って行って来た。

久々に「威勢の良い方の満島」が観れるかと期待していたが、外れた。

おかしい。

満島が全くハマっていない。


私はマンガが好きだ。

だが、かなりの「偏食」である。

基本、少年マンガは、もの足りなくてダメなので、週刊誌は読んでいない。

以前は「スピリッツ」を読んでいたのだが、「なんか、最近、フツーになって来たよな。」と、思い、ある時やめてしまった。

今、定期購読しているのは「IKKI」だけだ。

一時期ほのぼの系(?)の作品が増え、ほとんど飛ばしていた。

「最近は、こーゆーマンガが新しいのか?面白く感じないのは、自分がじじぃになって来たからなのか?」

やめようかと思ったが、これをやめてしまうとマンガとの繋がりが絶たれてしまうので、思い留まった。

その後、「オノナツメ」に出会い、「やめなくて良かった。」と、心底思った。

「五十嵐大介」の連載も始まり、「松本大洋」も戻って来た。

「ストラト!」も面白いし、「ニッケルオデオン」も素敵だ。

だが、月刊誌なので、これ一誌だけでは足りない。

basso名義の作品も読み尽くし、「なんか、面白いマンガねーかな?」と、思うと、ネットに頼ることになる。

だが、マンガほど、ネットで情報を読んでもピンと来ないものはない。

そんな中で、最近気になっていたが、一歩踏み出せないでいたのが「闇金ウシジマくん」だ。

今回の映画化を機に、「闇金ウシジマくん」と「スマグラー(新装版)」を大人買いした。

「ウシジマくん」は、面白い。絵柄も好みだ。だが、読んでいて、自分の将来(と言うか、まさに現実)がダブって、凄く不安になる。

問題は、「スマグラー」だ。

あまり良く考えずに買ってしまったのだが、当然、先に観た方が面白いに決まっているので、映画を観るまでコミックの方はお預けにした。

原作は4話240頁ほどで、ちょうど単行本一冊。

帰りの電車で一気読みしたが、とても連載デビュー作とは思えない。

一気に読ませる面白さ、そして、絵が力強い。これぞ、コミックの醍醐味だ。

以前から思っていたのだが、コミック原作の映画化(時にはアニメ化でも)で、原作通りのセリフが、すごく間延びした感じで聞いていられないことがある。

今回の満島ひかりの役が、まさにこのパターンであった。

他の役柄は原作を誇張してあり、セリフも変わっていたのだが、満島ひかりの役は、原作通りのセリフであった。

コミックの「ネーム」は、映画やドラマのセリフとは、根本的に異なる。

絵があった上でのセリフであり、文字数も限られているので、一字一句が練られ、削ぎ落とされた、洗練されたものになる。

どちらかと言うと、俳句に近いものがある。

それをそのまま現実の時間軸で声に出してしゃべっても、間が持たない。

先に映画を観たので、はっきりとは解らなかったのだが、コミックを読んで「そーゆーことだったのか。」と、合点が行った。

その点、同様に原作そのままでありながら、永瀬正敏は流石だ。そう言った不自然さが全くない。

しかし、いつの間にか、おっさんになった。

映画HPのトップ画像では、永瀬だとは気付かなかった。

だが鋭さの中に、大人の落ち着きも加わり、凄くイイ感じだった。(表現が稚拙で申し訳ない。)


それと、「田沼ちはる」の人物感が、原作とは大きく違っているのも解せない。

なぜ、こんな変更をしたのか?

原作の人物像を、実写で表現するのが難しかったからか。

たぶん、そうなのであろうが、そこは、頑張って欲しかった。

「ちはる」の魅力が半減、いや、一万分の一ぐらいになってしまっているし、原作の持っていた読後の爽快感も失われている。

作品自体の魅力が、一挙に平面的になっている。

尺の余裕はあったはずだ。

そこを、安易なギャグ調の演出で埋めても、映画館を出た後まで、観客に「面白かった」との印象を残すことは出来ない。


これで、しばらくは満島ひかりに会えない。

何を、心の拠り所とすれば良いのか。

また何か、素敵な出会いのあることを信じて、それでも、生きて行くしかないのか。

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