千住宿場町通り商店街の看板に触発されて浮世絵の現場を訪ねています。
例によって解説を紹介します。「旦」と「且」の字を間違えたってのが面白いですね。間違えたのは、北斎?それとも彫師? 改めて上載の看板を見直すと、「旦」と書いていました。
礫川雪ノ旦
礫川雪ノ短且(こいしかわゆきのあした)
東京都文京区春日二丁目・北野神社
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礫川は、(小石川文京区)のことです。また、「雪ノ且」の且は旦の誤りだと思われます。
小石川のあたりでも特に眺めのよい茶屋。夜来の雪がやんで一面の銀世界と変わり、富士も家並みも雪化粧となりました。
二階座敷の人々も一面の雪景色に感嘆の声をあげています。
女の指さす空には、三羽の鳥に天空を舞わせることで画面に彩を与え、遠近感を表しています。
北斎の「冨嶽三十六景」中、唯一の雪景色です。
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絵の題を見て場所のあてがつきました。時々通る交差点に目星を付けてやって来ました。小石川後楽園のすぐ西です。画題の「礫川」は現在の「小石川」です。
振り返るとあのマンションの下に祠と幟があります。
なるほど、絵の雰囲気があります。あそこから冬の寒い日にお茶を飲みながら富士山を見たのだろうか?ちょっと低いようにも思います。行ってみます。
路地の奥で意外にも出逢ったのは北野神社の表参道です。しかも梅まつりでした。訪れるのは勿論初めてです。
ここなのか?ここからあの場所に行けるんだよね?と半信半疑で、とりあえず石段を上がります。
梅がほころびています。想定外です。タイミングが良いです。
陽射しは良いですが、風は強く冷たいです。
石段の正面です。牛のくり抜きにおみくじを結ぶようです。この形式は初めて見ました。
石段を振り返ると高台です。なるほど、ここからなら富士山が良く見えたでしょうね。
先ずはお参りします。
さて、茶屋が在った場所へ行く道はどこだろうと探していたら、ちょうど宮司さんが通り掛かりました。行く道を尋ねたら、「ここに茶屋が在りました」と指差しました。えっ!? 先ほどの信号から見上げたあそこじゃなかったんだ!宮司さんに遭わなかったら探し回っていました。タイミングが良かったです。でもそこには何にもありません。ここ?
「富士山はあの方向です」とも指差してくれました。「あちらの新宿方面です」とも教えてくれましたが藪が邪魔してよく見えません。
お礼を申し上げた後、上がってきた石段へ行きます。
指差した方向を覗き込みました。新宿に在る特徴的なKDDビルが見えます。
・・・納得しました。
目的を達成したので、この後初めて訪れた神社を散策します。