
写真1 ネットの中を説明するSさん オオムラサキの幼虫がいる

写真2 我が国で唯一の「変異」著しいオオムラサキ1頭(Sさんの標本箱) 皆様、お探しください

1.かつて、里山は生活材・生産材の山、遊び場
人の手が入らないと里山は荒れる
かつて、里山は落葉浚い、朝の牛馬用青草切り、薪伐り、木炭材伐りの場であり、子どもたちの遊び場であった
筆者も里山で遊んだ
石油・ガスの時代となり、テレビやITゲーム機時代となり、里山から人が離れ、子供が離れて里山は荒れた
2.里山を蘇らせる人・グループ
利用する人がいる、手入れする人がいることにより、里山は我々に身近な山となる
それを再認識させたのが2012年09月22日、有機農業の里・下里の生き物調査行の途中
「カタクリとオオムラサキの林」の下にエノキ・榎あり
その枝を覆うネットの中を見ていたところ、下小川三区コミュニティー倶楽部のSさんに遇う
次のようなご説明をいただく(写真1)
ネットの中にはオオムラサキの幼虫がいる
これらの幼虫を、下小川三区コミュニティー倶楽部員が400頭前後飼育
夏のオオムラサキ放蝶となる
頭の中に、近郷近在、どこにエノキがあるか入っている
3.国蝶オオムラサキ放蝶会を支える人
筆者は2011年のオオムラサキ放蝶会に参加
その後、なぜ、下小川三区でオオムラサキ放蝶会が催されるのかを考えていた
疑問は解けた
下小川三区にはオオムラサキなど蝶に詳しい住民、人がいる、その一人がSさん
Sさんは小学3年の頃から蝶を採集
蝶の交配、採卵、育卵、羽化などもおこなった
その一部が「変異」のオオムラサキ(写真2)
4.リーダーとフォロアーが織りなす里山蘇生
下小川三区には、蝶に関心をもつ人だけではない
里山に関心をもつ人もいる
両者がオオムラサキやカタクリの保護活動を実践し、地域活性化を主導している
このように、里山蘇生や地域活性化は自ら動く人が、奉仕する人が支えていることを、あらためて知る。
引用・参考文献等:弊ブログ2011年04月22日・07月14日・同月17日・同月18日
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2012年09月22日 撮影地:埼玉県比企郡小川町