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写真1 2007/10/08 左:キヅルシ、右:変形キヅルシ
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写真2 2008/10/19 立木の上部は伐られ、キヅルシはなく、変形キヅルシは残る
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写真3 2011/10/09 写真2にみる左の立木は伐られ、右の変形キヅルシだけ残る。稲わらの量も少ない
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写真4 2007/10/08 稲穂だけ切り、残る稲わらは田んぼで干す。このような長い干しわらをキヅルシに吊るす
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1.諸行無常、栄枯盛衰世の習い
なにごとも、なにものも、世につれ、人につれ変わる、環境や条件により変わる
不必要になると消える、無くなる
そのプロセスについて、稲わらを生立木に吊るし重ねて保存するキヅルシにみる(弊ブログ2013年02月04日紹介)
2.消えたキヅルシ
本日はキヅルシが消えた例
写真1~写真3の農家とキヅルシは、筆者が栃木県下野市で農村歩きを行なう際、往復電車の窓から見える
2007年秋、写真1のように、左にキヅルシ、右に変形キヅルシ(弊ブログ2013年02月08日)
2008年秋、写真2のように、立木の上部は伐られ、キヅルシはなく、変形キヅルシは残る
2011年秋、写真3のように、立木は伐られ、キヅルシは消え、変形キヅルシは残る
2012年11月25日、車窓から変形キヅルシも見えず消える
稲わらを必要としなくなり、キヅルシを造っていた人も高齢になったのであろう
キヅルシと呼ばれる稲わら保存文化の担い手が1人退く
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:写真1・写真4;2007年10月08日、写真2;2011年10月09日、写真3;2013年月日 撮影地:埼玉県久喜市(旧鷲宮町)