アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シデコブシ - 安城デンパーク

2020-03-14 21:03:22 | みんなの花図鑑

シデコブシ(四手辛夷、 幣辛夷、四手拳)は モクレン科モクレン属の落葉小高木。




日本の固有種であり、愛知県、岐阜県、三重県の一部に分布する「周伊勢湾要素(東海丘陵要素植物群)」の1種。第三紀鮮新世のころにできた東海湖の沿岸地帯と、シデコブシの分布域がほぼ一致している。(wiki「シデコブシ」)




今から500万年くらい前、濃尾平野と今の伊勢湾あたりが陸の中で盆地化する地殻変動があり、そこが巨大な淡水湖になります。これが東海湖で、東海湖の沿岸地帯(土岐・瑞浪や瀬戸など)で陶土が得られるような地帯と シデコブシの分布帯が一致するそうです。





花弁と萼片の区別が難しく、12~18個の花びらがあるように見えます。系統的には「こぶし」と「たむしば」の交雑種と考えられています。(ブログ本読みと山歩き「東海湖と濃尾平野とシデコブシ・・・」)


シキミ - 自宅

2020-03-14 18:04:05 | みんなの花図鑑

シキミは現在はシキミ科の植物ですが、かつては モクレン科に含まれていたそうです。(大阪百樹 「シキミ」)




学名: Illicium anisatum L.
学名の最後の L. は リンネが命名した、という意味で、
属名 Illicium は illicio(引き寄せる,誘惑する)に由来し、芳香を有すること。モクレン科 (学名解説)
また 種小名の anisatum は (薬草、香辛料の)アニス に由来するそうです (大阪百樹 「シキミ」)




多数のおしべがらせん形に配列しているところは似ていますが、モクレン科ではめしべもたくさんあってらせん配列するのに対し、シキミでは、通常8つのめしべがお互いにくっついて輪状に配列しているところが違います。 (大阪百樹 「シキミ」)





少数のものが合着しているものより、多数のものがバラバラにらせん配列する方が原始的だとされていますので、シキミのほうがモクレンの仲間より進化したグループと言えます。(同上)




シキミの花では花弁、萼、苞葉の形の変化が連続的で、お互いはっきり区別できないのもこの植物の一つの特徴です。(同上)




実は、学名には、リンネが命名したIllicium anisatum L. 以外にもあるそうです。
シーボルトが命名したIllicium religiosum Sieb. et Zucc. というのがその一つで、 "religiosum"は 英語からの連想で分かるように「宗教的な」という意味。

昔は神事の「神花」として用いられ、京都では「火除け」として神棚に飾るなど「神花」の名残を残す「愛宕神社」などもあります。(緑の絵画館 : 私の植物図鑑 「シキミ」)




雌しべ8本と雄しべが多数ある。 (松江の花図鑑)
この花は 雄しべがたくさん脱落しています。



手前の花は 一本だけになっています。


セイヨウツゲ(ボックスウッド) - 自宅

2020-03-14 11:23:16 | みんなの花図鑑

自宅の植え込みのボックスウッド(セイヨウツゲ)の花、先日も、 密集していて 何が何だかよく分からないままアップしてしまいました (ToT)
今日は 先日よりさらに近づいて 整理してみました (^^)/




セイヨウツゲの花は ツゲの花序ととてもよく似ていて、雌花、雄花については ツゲの記事が参考になります。
この画像の上のほうに緑色の柱が立っていて3個の角みたいなのが出ているのが 「雌花」です。そしてその周囲をたくさんの「雄花」が囲んでいる、というのが、ツゲやセイヨウツゲの花序の基本構成のようです。




↑ この画像では 「雌花」が 上のほうと 左下と右下の3か所に写っています。いずれも太めの足(花柱)のうえに 3つに分かれた柱頭を展開しているのでそれと分かります。
紛らわしいのは 中央に2つ(その下にもありますが)並んでいる 雌しべらしき器官をもった花です。 実は これは「雄花」の「めしべ」なのです!
この雄花は(雄花のくせに)花粉を持った雄しべが見られませんが、雄しべは 役目を終えて 脱落してしまっているものと思われます。 「雄花」には(雄花なのに)雌しべしか残ってません。 この雌しべは 退化して 機能してないものと思われます。




上から見た「雌花」の雌しべの柱頭です。3つの柱頭の内側に 光って見えるものは 蜜でしょうか?(要確認)




こちらは 「雄花」の集団です。 こちらの雄花たちは 花粉をつけています。これから花粉を放出しようというところでしょうか。
中央のつぼみは 「雌花」でしょうか




再度、「雌花」にピントを合わせています。 めしべの柱頭が花粉を受粉しています。