アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シュウメイギクなど - 飛騨国分寺にて

2020-11-04 10:42:03 | みんなの花図鑑
八重咲きシュウメイギク

帰ってから検索したんですが、飛騨国分寺って ものすごく古いんですね。ウィキをみると 「創建 757年(天平勝宝9年)頃」とあります。今から1,263年前という計算になります(^^♪
植物?としては 創建当時からの大銀杏が有名ですが、あまりに背が高いので(28m)標準レンズに収まらず 撮るのはスルーしちゃいました。




一番気になったのが この八重咲きシュウメイギク。大銀杏の下の花壇にもあるけれど、奥の庚申堂横の花壇はこのように シュウメイギクで埋まってます。
遠くから見ると コスモス畑みたいです。




向こうに見えるのは 願掛け地蔵かなぁ




さて、シュウメイギクは 中国原産の栽培植物で、学名を Anemone hupehensis var. japonica といいます。早い話、Anemone(アネモネ)の仲間なんですね(^^)/
最初に入ってきたのは 半八重咲きの種類で、 一重咲き、八重咲きはあとから品種改良されてできたんだそうです。




シュウメイギクを検索すると「花弁のように見える部分は萼片で」っと、判で押したように書いてありますが、「じゃあ本当の花弁はどこに?」と探しても 花弁はありません。
「花を裏側から見ると、萼らしい萼片が見当たらないことから、萼片が花弁の役割を演じていることが確認できる。」(植物雑学事典「シュウメイギク」)
ということは 花弁とか萼片とか言わないで 花被片 と言ったらいいのでは (´・ω・)




八重咲きというのは 萼片と雄しべが変化したものだと言われています。スイセンなどでは 八重咲きになると雄しべがなくなっていますが、シュウメイギクの八重では すごい数のおしべがちゃんと残ってます。ということは萼片が多重化したということでしょうか??





ニワナナカマド

なんだか季節を間違えたように、白い房咲きの花が咲いていました。



自分の過去に撮った画像などと照らし合わせ、バラ科 ナナカマドの仲間で、背が高くならない ニワナナカマドではないかと思いました。よく似たホザキナナカマドは小葉の先端はとがるが尾状ではなく、ニワナナカマドは尾状に伸びています。



20本くらいあるという雄しべが花弁の外に突き出ているのが花の特徴です。ホザキナナカマドはもっと長いそうです。




マユミ

最後に 一枚だけ マユミ の画像を。
昔 飛騨の国に「白真弓肥太右衛門(しらまゆみ・ひだえもん)」という幕末期に活躍した力士がいて、「白真弓」は「飛騨」の枕詞であることから、この四股名が付けられたそうです。
「ペリー来航の折、米俵を背中に四俵、胸に二俵、手に二俵、合計で八俵を運んで黒船一行の度肝を抜き、その名を轟かせた。また安政五年の本場所での土俵入りは見事なものだったと言う。」(もりたなるお著『轟く土俵―小説 白真弓肥太右衛門』蒲酒造場「白真弓肥太右ヱ門 ミニ樽 300ml」より)
このマユミの木はそれを顕彰して植えられたもののようです。


カエデたち - 高山陣屋にて

2020-11-03 17:07:39 | みんなの花図鑑

よく「カエデとモミジのちがいは?」って話をしますが、植木屋さんや盆栽の世界での区別で、植物分類上ではカエデとモミジは区別はしません。モミジ科とか モミジ属という分類はないのです。




ただ、園芸の世界では イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど葉が5つ以上に切れ込んで掌状のものをモミジと呼び、それ以外のトウカエデ(切れ込みが3つのもの)などをカエデと呼んでいるようです。




江戸時代前期の飛騨国は、金森氏を藩主とする高山藩の統治下にありました。(高山陣屋公式サイトより)



江戸幕府は 金森氏が6代に渡り支配してきた飛騨の国に着目し、元禄5年[1692]に直轄領としました。
飛騨の地が直轄領になった理由は現在明らかではありませんが、
飛騨国の豊富な山林資源が背景にあったと言われています。(同上)



少し疲れたら 中庭の見える場所に座ってみてください。
当時の役人たちも眺めたであろう景色や音を楽しみつつ・・・
いにしえの時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか (同上)




これは 中庭でなく外庭?にあったカエデです。
植木屋さん風に「カエデか? モミジか?」といえば、切れ込みが浅く やや大きめの掌状葉なので ハウチワカエデ でしょうか?



ハウチワカエデだとすれば Acer japonicum カエデ科カエデ属ということになります。





これは 古い町並みの下三之町で撮ったモミジです。
イロハモミジだとしても 分類は Acer palmatum カエデ科カエデ属ということになります。




イチイ - 新穂高にて

2020-11-03 09:45:45 | みんなの花図鑑

もひとつ 第2ロープウェイ乗り場前の木を。
いろいろ木が写っていますが、今回取り上げるのはこの一番手前の常緑樹です。



でもその前に、せっかくなので、背後にある雪の山について・・・

この画像は ロープウェイで 西穂高口駅まで上がって標高2,156mの展望台から 同じ方角を撮ったものです。
左手の山が 笠ヶ岳 標高2,898m、 右端の山が 抜戸岳(ぬけどだけ)標高 2,813m になります。
一枚目の写真の山は この2つの山の中間部分になります。
一枚目の写真を撮った標高は 1,308mですから、同じ山並みでも 800m 以上ちがうと 景観はずいぶん変わるものですね




さて目的の木にもう少し近づいてみます。目的の木はこの針葉樹です。よく見ると所々に 赤い小さな実が付いています。
この木は何でしょう?



そう、イチイの木です。

イチイは学名 Taxus cuspidata イチイ科イチイ属。
旧みんなの花図鑑では イチイをタイトルに選ぶと 「イチイ(オンコ)」と別名付きで表記されました。
特に北海道などでは イチイは「オンコ」と呼ばれているようです。

旧みんなの花図鑑のイチイの項(部分)▼

北海道の ミツ太郎さんのお写真が筆頭にありました。イチイには雪が似合います (^_-)-☆




ところで、赤く可愛いこのイチイの実、なんと食べられるそうです。
私はまだ食したことありませんが、北海道出身のさるお方のblogによると「私は登下校の最中などに、よそのお家の生け垣に植えられていた「オンコの実」をつまんで食べていました。」
北海道や東北では「オンコ」はよく生垣に植えられるそうです。愛知県の生垣ではイチイはあまり見かけません。代わって イヌマキがよく使われます。そうです、生垣のマキの実は 学校帰りによく食べました \(^o^)/
でも 重要なのは 先ほどのつづきです↓
「しかし、この「イチイ(オンコ)」は熟した果実以外の部分は全て有毒で、特に果実の中央にある種は、誤って食べてしまって死亡した例もあるほど毒性が強いのです。」




この日は快晴で 西穂高口では ドローンを飛ばしてる方が見えました。


シオン属ゴマナ - 新穂高にて

2020-11-02 18:02:59 | みんなの花図鑑

ロープウェイで上がった 標高2,156mの 西穂高口駅周辺の散策路の日陰部分は 雪でした。この綿毛はそこに「咲いていた」ものです。




これは 展望台から写した北アルプスの山並みをパノラマ化したものです。【この記事の最後に パノラマ化に使ったソフトを紹介しています】
一番高く見えるのが 西穂高岳(標高2,909m)、左のほうに黒っぽくちょっとだけ突きだしているのが槍ヶ岳(標高3,180m)だそうです。
綿毛の花は この針葉樹林のなかにありました。




雪の帽子をかぶったような綿毛。キク科の綿毛というところまでは察しが付くのですが・・・具体的に何なのか?判りません。
スマホの Google Lensアプリに検索させたら、ヒメムカシヨモギ とか ツワブキを候補に挙げてきました。




ツワブキは枯れた葉の感じが違うので 候補から外すと、ヒメムカシヨモギが残ります。でも 枯れてもこんなに茎がしっかりしてて綿毛が残ってる画像はありません。ヒメムカシヨモギの綿毛の画像は 茎がまだわずかに緑色をしています。




そこで掲示板にお伺いを建てました。
「岐阜県の山の中腹。下にある白いものは雪です。
 草丈は50cmくらいでしょうか。
 キク科の何かだと思うのですが。茎は木質化しています。
 この綿毛の野草の名前を教えてください」





この掲示板の主みたいな常連回答者の方からお返事がありました:
「ヒメムカシヨモギはこのような場所にはないと思います。
 いわゆる野菊の仲間、シオン属の何かだと思います。
 シオン属も似たものが多く綿毛だけで同定は無理ではないかと
 思いますが、そのなかでゴマナは高山帯まで分布するという記述も
 あり、花が多数付くという特徴もあり可能性はありますね。
 参考までにシオン属のノコンギクの画像添付します。」
添付してもらったノコンギクの綿毛の画像を見てびっくりしました。たしかに この質問の綿毛に「咲き方が」そっくりなのです(^_-)-☆




そこで、回答に従い ゴマナの綿毛の画像を検索してみました。その結果、ノコンギクよりさらによく似ている綿毛の画像がありました。
そういう経緯で、この綿毛の花は シオン属のゴマナということにします。
でも、ゴマナやノコンギクの野菊のようにしなやかな枝が枯れると 木質化し枯れ木のようになるのは驚きです。




附・パノラマ写真の作成
2枚目のパノラマ写真は Microsoftの Image Composite Editor(ICE)という無料アプリで作成してみました。
久しぶりのパノラマ写真でしたが、昔に比べて イメージを補完する技術がバツグンに進化したため、チョー簡単に作れちゃいますね。
以下、簡単に ステップを紹介しておきますね

Step 1 - IMPORT(ファイル選択)




Step 2 - STITCH(縫い合わせ?)

4枚の絵を自動でつなぎ合わせてくれます。



傾きを4度調整しています。



Step 3 - CROP(トリミング)

合成した画像をトリミングしています。ここでは全部取り込む指定をしています。元の写真を斜めに縫い合わせているので、トリミング枠の中には 絵のない空白部分があります。



おまかせで 空白部分を補完します



補完されました!


Step 4 - EXPORT (サイズを指定してファイル保存)





ノコンギク?ヨメナ? - 新穂高にて

2020-11-02 10:34:55 | みんなの花図鑑
今日も新穂高第2ロープウェイの起点「しらかば平駅」(標高1,308m)前の植物を。


前にお見せしたロープウェイ下の桜の木の下に野菊が咲いていて、たくさんミツバチが来訪し、蜜を吸っています。




「雑草という名の植物はない」という昭和天皇のお言葉(もっとも最初にそう発言したのは牧野富太郎博士だそうですが)を換骨奪胎して語感だけ真似ると 「野菊という名の菊はない」ことになるので、これはノギクではなく、ノコンギクかヨメナかということになります。




全体はこんな感じです。奥の黄色は ブタクサブタナの花。



ノコンギクとヨメナ、両方生えていれば比較しやすいのですが、かなわなかったので、ネットの素晴らしい写真を参照ください。(京都九条山の自然観察日記「ノコンギクとヨメナの違い」よりお借りしました。記して感謝!)
葉のかたちは ノコンギクもヨメナもどちらも「 卵形~長披針形」なのですが、どちらかというとノコンギクのほうが鋸歯が多いように見えます。もっとも葉による区別で決定的な違いは 「ノコンギクの葉はざらざらしているのに対し,ヨメナの葉はつるつるしています。」という点にあるそうなのですが・・・




もう一つの区別点として、小花の冠毛の長さを調べる、という点があります。
「ヨメナの冠毛はたいへん短く、ほとんど目立たないのに対し、ノコンギクの冠毛は子房の2倍ほどの長さがあります。」(同上)



この画像も 先ほどの(京都九条山の自然観察日記「ノコンギクとヨメナの違い」)より拝借しました。
ヨメナの「総苞は浅い鐘形。」(松江の花図鑑「ヨメナ(嫁菜)」)
対して ノコンギクの総苞はヨメナより長めになります。
これらの点から推量すると、この野菊は ノコンギク でしょうか??





まぁ、どちらにしても、キク科の植物です。キク科の花は 周囲に舌状花、中心に筒状花を配置した集合で頭状花序をなしています。現在は、筒状花のおしべの筒から花粉が押し上げられた状態の 雄性期の花のが多いようです。




ミツバチは餌の蜜を採取するほかに、こどもたちのために 餌になる花粉も巣に運ぶようです。



白い肌の木 - 新穂高にて

2020-11-01 18:10:14 | みんなの花図鑑
新穂高シリーズ、こんどは 白い肌の木ばかり集めてみました。


「白い肌の木」でまとめたのは、私には 個々の樹の名前が分からないからでもあります。
例えばこの画像で手前にある白い木肌の木、スマホの Google Lensアプリで画像検索すると、シラカンバ とか ヤマナラシ(別名 ハコヤナギ)を候補に挙げてきますが、もっと他の何かのような気がします。




これは 新穂高ロープウェイの中間駅「しらかば平駅」前の シラカンバ(シラカバ、白樺)と思われる樹を撮ったものです。
白樺によく似た木に ダケカンバ(岳樺)があります。2つは どう違うのでしょう。
検索してみると、枝を見るといいことが分かりました。ダケカンバは 幹も枝も白い。対して、シラカバは 幹は白いが 枝は白くないそうです。



そうしてみると、この木は 枝まで白いから ダケカンバかもしれません。




面白いことに 白い肌の木はどちらかというと まっすぐ伸び、紅葉する木は 枝を横に広げているように見えます。たまたまかもしれませんが。




これは やや標高の低い地点で見たカバノキですが、前説を翻して かなり曲がっています。




こちらはまっすぐ伸びています。枝も白いから ダケカンバのように見えますが、日本のポプラといわれるヤマナラシ(別名 ハコヤナギ)などもこのような樹形をしています。やはり私には 名前を言い当てるのは難しいようです。




背の高い木。




これはロープウェイのゴンドラから撮ったものです。黒い部分はゴンドラの影です。




これは 西穂高口駅(標高2,156m)周辺の散策路で撮った白い木肌の木です。




最後に これは ゴンドラの窓から撮ったものです。



カエデたち - 新穂高にて

2020-11-01 10:11:39 | みんなの花図鑑

朝、高山を出て新穂高ロープウェイのほうへ上がっていくと、新雪を頂いた山々が見えてきます。とあるロッジの前の広場に車を停めてパチリパチリと撮りまくります。その中の一枚がこれ (^^)/
左手の山が笠ヶ岳です。




もう間もなく新穂高温泉駅(第1ロープウェイのりば)というところで トンネル入り口に人が立っていて 「ロープウェイはこちら」と山道を指示されました。第1ロープウェイの駐車場はすでに満車のようです。
細い道をしばらく登っていくと、しらかば平駅(第2ロープウェイのりば)駐車場に着きました。
駅舎のほうへ歩いていく途中はカエデが植栽されている広場があります。




見上げれば ロープウェイ。今年リニューアルしたばかりのゴンドラが標高2,156mの西穂高口駅向かって上がっていきます。




山肌はブナなどの黄葉が主体のようで、手前の紅葉を引き立ててくれます。



しらかば平駅前のカエデです。




ゴンドラの車窓から見下ろした駅前広場と駐車場です。ゴンドラが新しいので? 光の反射が無ければ こんなにくっきり写ります (^_-)-☆




再度、駅前広場のカエデです。




近くの雑木林の中を散策できます。



50年前と変わらない?新穂高の紅葉風景です。



カエデの種類は分からないのですが、イロハモミジでしょうか?



風もなく、ゆったりとした時間が過ぎていきます。



駅舎前のカエデです。指の数が多いので、ウチワカエデの仲間でしょうか?



雲ひとつありません \(^o^)/