アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (47) ハイノキ科のクロバイ

2021-04-25 18:10:55 | みんなの花図鑑

ブラシのように咲く樹の花、ちょっと ウワミズザクラみたいでしょう(^^♪
この木は ウワミズザクラとは 名前も科もぜんぜんちがう ハイノキ科の樹なんです。



場所は 彦左公園(愛知・幸田)の池の畔で、この株のほかにも すぐ横に1本、周囲に最低3本 ハイノキ科らしき花を付ける木があります。



ハイノキ科ということはOK なのですが、ハイノキ科に、ハイノキとクロバイがあり、両者の区別が付けにくいのです。
「クロバイの名は灰を染色の触媒としたところからの名であり、同属のハイノキにくらべて葉の色が濃く、木全体の感じが暗く見えるからという。」(季節の木「ハイノキ-灰の木」)




いっぽう、ハイノキのほうは「日本では関東よりも南の地域に自生しています。灰が染料として使われることから、「灰の木」と名付けられました。」(HORTI by Green Snap「ハイノキ(灰の木)とは?」)




「花は4-5月に咲く。雄しべが花弁より長く突きだしていて、まるで放射状に吹き出しているように見えるが、これがハイノキ科の花の特徴である。」(季節の木「ハイノキ-灰の木」)




一方、クロバイの花のほうは 「4~5月に白い総状花序を出します。花の大きさは5-10mmで、一つの花序に20個程度付き、ウワミズザクラに似ています。」(季節の木「クロバイ」)



最初見たとき、ウワミズザクラに似ていると思ったので、この木はやはり クロバイでしょうか (^^ゞ



葉はこんな集めの硬そうな葉で、明瞭な鋸歯があります。
なお、この木の葉で面白いのは 鋸歯の先端に粒々が付いていることです。(去年もそうでした。)[一枚目の画像を参照]




なお、すぐ横の木は以下のような花を付けます。

前の花に比べて 花数が少なめです。こういうのが ハイノキか、とも思ったりするのですが・・・



ハイノキの分布は 近畿以西とのことなので、クロバイのバリエーションと考えてます。



池の対岸から、2つのハイノキ科の樹を見てみました。
このように 花の色が違います。




そして、さらに、少し離れたところに、もう一本花を咲かせていました。

この花になると、いっそう花数が少なくなります。



花期が終わる時期の花なのか、別の種類なのか? 花だけではよく分かりません。
果実が実ったら、区別できるかもしれないので、今年こそ決着をつけてやろうと思ってます。






アズキナシにも雪が降る

2021-04-25 13:46:57 | みんなの花図鑑

雪が積もったように花が咲くのは ヒトツバタゴだけではありませんでした。
これは 野外民族博物館リトルワールドの韓国のお屋敷にあった樹です。
韓国のお屋敷の前には ヒトツバタゴがあり、本来は その花をめでるために この時期いつもリトルワールドへ行くのですが、今年は ちょっと早すぎたようで、まだ青いつぼみばかりでした。



そして お屋敷の中に 最近覚えたホオノキが花付きで植わってるのを見つけると同時に、その奥に こんな樹が白い花を付けているのを見つけたのです。




ヒトツバタゴも背が高くなりますが、この木も背が高いです。





花の付き方や 葉のしわの様子から、ガマズミ属のようだと思いましたが、ガマズミ属は 低木です。
この木は(手前のホウノキが4~ 5mとして その倍くらいあるので)8~10mもあります。




例によって このきなんのき掲示板にお伺いを立てました。
そしたら 「バラ科の アズキナシ」ではないかと ご教示いただきました。



アズキナシなら 落葉高木ですし、葉の付き方も違和感ないし、園内の別の場所で アズキナシの実を拾っているので、間違いないと思いました。




別の場所で撮った アズキナシの花です(2019-04-28@愛知県緑化センター)




別の場所で撮った アズキナシの果実です(2018-12-25@於大公園(東浦町))



ヒトツバタゴに雪が降る

2021-04-25 08:15:59 | みんなの花図鑑

ヒトツバタゴの花が咲くと 雪が積もったようになります。



山里かと思えば、新幹線三河安城駅の駅前の街路樹なのです。












ヒトツバタゴはモクセイ科の木。
アオダモやタゴノキ(トネリコ)と同じような白い4弁かを集合させて咲きます。
でも、ヒトツバタゴがいちばん花数が多い。



ヒトツバタゴ自生地

犬山の入鹿池近くの山に 天然記念物ヒトツバタゴ自生地があります。
街のヒトツバタゴが花盛りなので、自生のヒトツバタゴももう咲いているのでは?と行ってみたら、まだまだでした。
標高はそれほど高いわけではないので、なぜなのか、分かりません。




安城市に戻って・・・

おっ、ここでも なんじゃもんじゃの木が花いっぱい咲かしているぞ。



樹の下から 歓声が聞こえます。



小学校の校庭でした(^^♪
安城市の小学校には(北部小学校が一番有名ですが)ヒトツバタゴがよく植えられています。
最初に 神谷礼治さんが 犬山の自生地から 北部小学校に移植したのが始まりでした。




マツバウンラン - 帰化植物

2021-04-24 18:08:13 | みんなの花図鑑

マツバウンランは 1980年頃から目につくようになった比較的新参の帰化植物です。




ゴマノハグサ科とか オオバコ科に属します。
マツバウンランの名前は「葉の形が松葉、花がウンラン (Linaria japonica) に似ていることから」(wiki 「マツバウンラン」)



葉のかたちが松葉に似ているかは置いておいて・・・ (´v_v`)
花は ウンラン にとても似てると思います。
2、3年前、土手のマツバウンランを撮っていて、花の色が 一部変わっていて、横を見たら リナリアの花が植えてあったということがありました (^_-)-☆




それでよく思うのですが、畑に植えてある色とりどりのリナリアより、土手に群生したマツバウンランのほうが清楚でキレイなんて思うこともあります (^^♪




マツバウンランの花には「距」と呼ばれる突起が花冠のお尻に付いています。この中に蜜があります。
虫は花筒の中を奥まで潜っていきさらにその奥に届くような興奮を持ってないと 蜜にありつけません。



距には もうひとつ役割があって、花筒とは反対側に伸びて、花冠が下を向かないようバランスをとっています。



距には長いタイプと短いタイプがあるということです。




樹に咲く花 (46) トチノキ、ベニバナトチノキ

2021-04-24 10:55:48 | みんなの花図鑑
安城デンパークには トチノキとベニバナトチノキがあります。一か所を除き、みな背が高いです。


トチノキ

トップ画像にもってきたのは、見上げて撮ったら ちょうど月 (4月19日撮影)がはいっていたので (^^)/




コンデジの望遠で撮影。



まだ つぼみ ばかりです。








ベニバナトチノキ

上の栃の木の木の横にも ベニバナトチノキはあるのですが、こちらは 別のところにあるもう少し背の低いベニバナのほうです。



ごくわずかに咲いていますが・・・



ほとんどは 蕾の状態です。



こちらは トチノキの横のベニバナトチノキ。
手前が トチノキで、後ろの背の高い木は メタセコイア です。




ホオノキだってさ~~ ほぉ~

2021-04-23 18:12:17 | みんなの花図鑑

ところは 岡崎市の東の里山にある「わんパーク」(の横の雑木林)。
〇で囲ったところに 背の高い木があり、そのすべての枝の先に何やら付いています。




コンデジでズームしてみると、こんな感じです。




さらにズームしてみると、花ではないようです。
赤褐色の袋のようなものから、新芽らしきものが出ているのです。
さぁ~、分かりません。
聞くは一時の恥、なので、この木なんの木掲示板へ お伺いを立ててみました。
そしたら、間髪おかず 二人の方から 「ホオノキ」と教えてもらいました。
赤褐色の袋のようなものは 「托葉」というのですね(^^)/



そして、きょうは 犬山の 「野外民族博物館 リトルワールド」へ行ってきました。
リトルワールドのすぐ近くには 天然記念物ヒトツバタゴ自生地があり、そこの花も今年はもう咲いているのではないかと思ってその花を見るのが第1目的でしたが、ヒトツバタゴの花は 開花のそぶりも見せてませんでした(´∀`)

でも、代わりに、リトルワールドでは 遠くてよく分からなかったホオノキを見ることが出来ました。

韓国のお屋敷に ホオノキがあったのです。



5mくらいあり、手元で見ることはできませんでしたが・・・



こんなつぼみと・・・



こんな花を下から眺めることが出来ました。



朴葉味噌のあの「朴葉」の若葉です (^^♪



オオアマナ、ヘラオオバコ、ノヂシャ - 河川敷

2021-04-23 08:08:52 | みんなの花図鑑
まだ四月だというのに ・・・暑い!
久しぶりに矢作川の河川敷を走ってきました。
柳やセンダンの林が切り倒されて、だだっ広い野原に変化してました。
でも、背の低い草の中に キジの鳴き声がまだ聞こえてきました。



オオアマナ

今は昔、初めて気が付いたとき、コンデジで写真を撮って 質問掲示板にお尋ねしたことがありました。
そのときの 質問タイトルが 「ハナニラの豪華版?」



質問して検索していて気が付きました。
「自己レスです。「白い 6弁花」で画像検索したら、 オーニソガラム(ウンベルタム)がヒットしました。
どうやらこれの道端に逸出したもののようですね。」



ややあって、優しいかたが 詳しい回答をくれました。
「日本で良く見られるオーニソガラムの小型種には、ウンベルタムと、近縁種でウンベルタムにそっくりなテヌイフォリウムとがあります。
画像に明確な葉が写っていないのでこの画像のが確実にウンベルタムだとは言い切れません。テヌイフォリウムである可能性もありますから、まずはご自分で葉の特徴の方もきちんと観察してどちらの種類かを確認してみて下さい。」



「確か、ウンベルタムの方は和名がオオアマナで、テヌイフォリウムの方はホソバノオオアマナだったと記憶しています。でも、とても紛らわしい事に両者の特徴を比べてみるとウンベルタムの方が葉が細くテヌイフォリウムの方がホソバと呼ばれるのに逆に葉が広くて、つい混乱してしまいどれがどれだか解らなくなりやすいです・・・。」



ツルボ亜科。オーニソガラム・ウンベラタム Ornithogalum umbellatum




下から見上げてみました。おっ、バックシャン(^^♪






ヘラオオバコ

雄性先熟といって 白っぽいのはおしべの葯、下から褐色のめしべが そのあとを咲き上がっていきます。



















ノヂシャ












樹に咲く花 (45) オニグルミ

2021-04-22 17:55:57 | みんなの花図鑑

オニグルミの雌花です。
4月20日、矢作川河川敷にて撮影。



河川敷の木のほとんどが切り倒され野原に変貌しましたが、このオニグルミのある一帯は 整備を免れました。




オニグルミの花は雌雄異花。
まず雄花が下に垂れ 花粉を放出したあと、この雌花が 枝の上に咲きます。




赤い部分は めしべの柱頭です。
その下が 子房で、受粉すると 丸く成熟し、食べられるクルミになります (^^)/




雄花のほうは 花粉を出し終わって、ほとんど落下してしまいました。




わずかに残っていた 雄花のクローズアップです。

樹に咲く花 (44) ミズキ科のハナミズキ

2021-04-22 00:53:11 | みんなの花図鑑

ミズキ科のハナミズキです。
ミズキ科の花には ミズキのほかに、仲間のヤマボウシ、クマノミズキがありますが、
「ミズキ」がついても、トサミズキ、ヒュウガミズキは マンサク科で ミズキ科ではありません。




原産地はフロリダとその周辺なので、学名も Cornus florida となっています。
日本に来たのは、よく知られているように、1912年、当時の東京市がアメリカ合衆国へ贈ったサクラへの返礼として1915年アメリカから贈られたのが第1号です。
その後しばらくは普及しなかったのですが、1970年代ごろから街路樹に、庭木にと、爆発的に普及しました。




もうひとつ、よく知られているように、このピンクの花びらのように見えるものは 「総苞」といって(「苞」と同じく)葉の変化したものです。総苞や苞の役目は 開花前の蕾全体を包み保護することです(よく似た器官に「萼」がありますが、萼は花冠を支える役割をします)。
では、「総苞」と 単なる「苞」とどう違うのでしょうか?
苞は ひとつの蕾を「包み」保護してます。総苞は たくさんの小花を「まとめて」(総じて)「包んで」います。
例えば ツユクサは一つの花の蕾がひとつの苞に包まれています。
一方、タンポポのように、たくさんの小花(筒状花)の蕾をまとめて包んでいるのが「総苞」です。




ハナミズキには 4枚の総苞片があります。



ハナミズキの小花にも 花弁がありますが、とても小さく貧弱でとても虫に花のありかを知らせるようなものではありません。



その代わり、つぼみのとき包んでくれていた総苞が 目立つ色をして大きく開いて 個々の花弁の代わりに担ってくれています。



このミツバチも 大きな総苞を目印にやってきたものと思われます。



花粉源としてのハナミズキの評価は 「B-普通」だそうで・・・(みつばち百花・蜜源・花粉源データベース「ハナミズキ」)



蜜源としてのハナミズキの評価は「未確認」だそうです。(同上)



樹に咲く花 (43) イロハモミジ、オオモミジ、ウリカエデ

2021-04-21 17:44:47 | みんなの花図鑑
すでに 「樹に咲く花 (34) ヤマモミジ」をやりましたが、「いささか旧聞に属しますが」シリーズの続編で、4月の初めに出会ったカエデ科の花をまとめてみました。


イロハモミジ

イロハモミジは 日本で一番多くみられる ムクロジ科カエデ属の樹です。
モミジ属という属は無く、モミジと名がついてもみな カエデ属の樹です。なので イロハカエデ とも言います。
花には雌雄があり、上の画像は 雄しべを付けた 雄花です。



全体を見ると、黄緑色の若葉といっしょに 雌雄の花が散形花序状に付いています。
上の雄花が目立ちますが、よく見ると 雌花もちらちら見え隠れしています(向かって左手)。

少しアップで観察してみましょう。



まず、雄花のほう。
風媒花なので、虫を呼ぶための花弁は必要ないはずですが、ちゃんと 花弁と萼片があります。
でも花弁は萼片よりも小さく控えめで、目立つのは おしべです。



つぎに、雌花。
雄花があるから、もう一方は 雌花だと思うのですが、イロハモミジのばあい、雌花と言っても まだ生殖機能がある雄しべが付いているので「両性花」と呼ぶらしいです。



でも上の画像では めしべばかり目立ち、雄しべは良く見えませんね。

雄花、雌花(両性花)は ひとつの花序に混じるということです。
4月1日 愛知県緑化センターにて。




オオモミジ

花を見ても イロハモミジと同じような咲き方をしていて 区別がつきません。
葉の大きさは
 イロハモミジ < ヤマモミジ、オオモミジ
の関係にあるのですが、大きさは 2つを並べてみないと分かりません。



一番簡単な見分け方は、翼果をプロペラの付き方を見る方法だと私は思います。
ヤマモミジや トウカエデなどの翼果は イロハの「ハ」の字型に翼が垂れていますが、イロハモミジの翼は水平に近いです。



撮影は イロハモミジと同じく4月1日 愛知県緑化センターにて。
このオオモミジはまだ蕾の状態が多かったですが、開いているのは 雌花でした。
雌花といっても「雌花 : 短い花糸をもつ雄しべが8本と,雌しべがある」と文献にあるので、やはり両性花というべきかもしれませんが。



ヤマモミジ

これだけは、 4月7日 安城デンパークで撮ったものです。
園芸品種のヤマモミジで 品種名「トロンペンブルグ」といいます。
雄花と雌花が同時に咲いています。



こちらは 雌花(両性花)です。





ウリカエデ

4月1日 愛知県緑化センター近隣の雑木林で。
同じ属でも、カエデと名が付くとずいぶん趣が変わるものです、花も 葉も。



そしてさらに違いが・・・
これまでに挙げたモミジは 雌雄同株の雌雄異花でしたが、ウリカエデは 雌雄異株 ということです。
そう言われて、花をよく見ると、雄しべだけが見えていて めしべらしき器官(翼果の赤ちゃん)は見当たらないので、これは 雄花ということになりそうです。



あらためて 葉を見ると 切れ込みの浅い「カエル手」をしています。トウカエデに近いようですが、トウカエデはこんなに脂ぎってはいなかったはず。やはり ウリカエデは 葉も花も独特です。



それにしても、雄花なので、役目が終わればすべて下に落ちてしまいます。
雄株なので、赤い翼果が見られないのが、残念(´v_v`)