さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

神様が送ってくれた

2012年12月07日 09時00分19秒 | Web log
Mさんという女性のシャワーの介助をさせていただきました。

Mさんがどうして閉鎖棟にいるのか、理由はわかりません。
イタリア語が母国語ですが、英語も話せる、認知症らしき症状もない。
1人でほとんどなんでもこなせるMさん。

穏やかでにこやか、編み物好きなおばあちゃんです。

朝一番にお部屋にむかうと笑ったようなお顔ですやすやと眠っています。

「おはようございまーす」と言うと目を覚まして、あぁと言いながら
笑顔を向けてくれます。

シャワーを浴びる前にお洋服を選ぶときも、自分の着たい洋服を
指定したり、ナイティも「これはそんなに汚れていないから洗わなくてもいい」
とか一つ一つきちんと指示してくださるので、わたしとしてはとっても楽。

ブラジャーを選んでいるときに、それじゃない、それじゃないと言います。
と言っても、スペアは2つしかない。これか、あれか2つに一つ。
でも、No, No とおっしゃる。

前の日にみにつけた洋服の中にあったブラを見つけると、それそれと言う。
それをまたつけたいというので、そのままスルー。

ケアラーさんの説明では、乳がんで片方の乳房がないので、パッドが必要
とのことでした。

だからMさん、パッドの入った前日のブラをつけたかったのかな?
(次の機会には、ちゃんとパッドを入れ替えて、きれいなブラをつけて
あげようと心に留めました)

バスルームにつれていきますと、夜につかった夜用パンツがそこにあって
チェックすると茶色になってました。

「出血??」

とにかく体を洗ってあげると肩がいたい、乳房の下が痛いとおっしゃる。

これがただの痛みなのか? もしかして転移からきているものなのか?
しかも出血している。

鎮痛剤は毎食後に飲んでいるという。

とにかくシャワーの後に出血のこと痛みのことを上司に報告。

痛みについては既に認識している様子。出血の件も、後で尿検査したら
潜血反応はなしとのこと。

翌日また出血が確認されたので、寝起きすぐの尿をキャッチして
検査を依頼。また陰性。

3日目には体の痛みが増しているようでした。そのときに
「こんなに痛みがつらいなら、死にたい。死ねば痛みから解放される。
自由になりたい」と話してくださいました。

ちょっと触れただけでも激痛が走っているかのような反応を示して
見ているだけで気の毒になりました。

「大丈夫ですか?」と聞くと

「It's all right」と言います。でも、It's all right ではないことは
分かります。鎮痛剤は食後3回飲んでいるので、これ以上手の施しようが
ないのでしょうか?励ます言葉も見つからず、黙っていると

Mさんが突然こんなことを言ってくれました。

「わたしは神様に感謝しているの。わたしはあなたをずっと探していたの。
ずっとお祈りしていたの。神様があなたを送ってくださったのね。」

二日後には実習も終わり、私がこの施設から去っていくことを彼女は知りません。

ありがとうと言う傍ら、心の中に棘がちくりと刺さったかのように思えた
一瞬でした。

署名

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