さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

なんと言っていいか分からない....医療システムに潜む落とし穴

2014年09月27日 13時17分00秒 | Web log
昨日、突然、看護師のディプロマコースを一緒に受けて、卒業した友達から
携帯にメッセージが届きました。

だんなさんが、精密検査のために母国に帰国しているという話は聞いていたのですが、
精密検査のために帰国したご主人が、大腸がんの末期を宣告されたとのこと。

知り合いに余命宣告されたがんサバイバーがいるので、最後まで気を落とさないように
励ますつもりで、即電話しました。

転移はしているのか聞いたら、胃とすい臓に転移しているとのこと。

過去のデータを集めて、そこから予想されることを、医者はステージ4とか、
余命何ヶ月とかいうのでしょうが、個人差もあるでしょうし、抗がん剤との
相性とか色々あるでしょうから本当にこればっかりは参考値であって、最終的に
どうなるかは分からないのですが。

で、更に

具合が悪くなったときに、GPに行ったら、公立病院でのColonoscopy(大腸内視鏡検査)は
6ヶ月待ちと言われたそうです。その時点で、症状の重篤性がはっきりしないから、優先
検査をお願いできない=紹介状も書けないと言われたそうです。

ま、理屈上はわかりますが、これにもびっくりしました。

家族が心配するほどの症状がでているにも関わらず、医者がColonoscopyの結果をみない
限り重篤性を判断できないって、マジ?

仮に「疑う」ことはできても、順番待ちについてはどうすることもできないってことでしょうか?

私たちはプライベートの保険に入っているので、何かあったら、公立ではなくプライベートの
病院へ行って、即検査を受けられるのですが、彼女たちはプライベートの保険に入って
いなかったので、全額負担をするか、公立病院での順番待ち以外に選択肢はないのです。

ま、色々考えると、飛行機代が出せるのなら、Colonoscopy(大腸内視鏡検査)は受けられた
んじゃないの?と思いましたが、お金だけでなく、その他色んなことを考えて母国での
検査を望んだのでしょう。しかしその時、誰がこの結末を予想できたでしょう?

彼女はIELTSになかなか受からないために、看護師として働くことすらできず、更に
経済的な制約がいろいろあって、子供もまだ4歳。

ご主人が病気のために帰国していて、収入もないわけで、移住した妹さん家族以外に
頼る人もいないのに、一体、ここでどうやって生きていくのだろうとおもうと、
彼女の逼迫した精神状態が容易に想像できます。

仕事もしていないわけだし、帰国して、できるだけご主人の傍にいてあげられないのか?
と言いましたが、話しを聞いている限り、彼女はご主人のいる母国に帰ることをためらっている。

どうも、国籍を放棄して、オーストラリア市民権を得るために申し込みをして、数週間後に
市民権を授与するセレモニーがあるらしいのです。

だんなさんは、検査のために帰国しましたが、実は彼らは書類上「オーストラリア人」

よって、再度帰化して母国での権利を回復しない限り、理屈上、外国人扱いになるわけです。
ご主人のみの帰化が可能なのか?それともそうするには「離婚」しなければいけないのか?

よくわかりません。

だったら、重篤性は証明されたのだから、こちらに戻ってきて治療できないのか?と聞いたら
検査などのために、ほとんど食べておらず、移動できる状態にないとか。

彼女が帰国をためらう理由はこういった複雑な状況にあるのかもしれません。

帰化したら、オーストラリアで築き上げてきたのもをすべて放棄し、仮にオーストラリアに
数年後帰ってくることになったとしても、またゼロからやり直ししなければいけないと
いうことになるのを恐れているのかもしれません。

あまりにも彼女を取り巻く状況が複雑すぎて、何一つ言葉が見つかりませんでした。

署名

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