父は夜歯を磨かない、磨くのは朝だけ、でも虫歯は一本もない。
夕食の後は爪楊枝を使っている。
実は僕も高校から結婚するまでは夜歯を磨かなかった。その間一度も歯医者に行ったことはない。
歯は磨かかなかったが、爪楊枝で綺麗に歯の間の汚れは取り除いていた。
慣れると歯間ブラシと同じように歯と歯の間の汚れを上手に取り除くことが出来る。
恐らく父もそうしていたのだろうと思う。
考えてみれば歯ブラシを使った歯磨きは近代になってからである。歯磨き粉の普及も明治以降かなり経ってからだと思う。それまでは歯の汚れを取るには爪楊枝を使っていたはずだ。昔は甘い食ベ物も少なかったと思うが、爪楊枝でも充分虫歯予防にはなるということである。
昔、爪楊枝は白樺からできていたそうだ。今でも和菓子などに使われる三角楊枝は白樺でできている。実は虫歯予防で有名なキシリトールの成分は白樺から採取されている。
爪楊枝は世界中で使われているが、材料に使われる木は薬木が使われているという共通点がある。フッ素やタンニン酸など歯に非常にいい有効な成分が含まれているのだ。
昔の人はちゃんと歯にいい木を知っていたことになる。
最近の大量生産で作られる爪楊枝は家具などの端材を使用しているのでこういった効果は期待できないが、白樺などの薬木を材料にした爪楊枝を上手に使えば、歯磨きをしなくても虫歯予防になりそうである。
もちろんエチケットとしてはちゃんと歯磨き粉をつけて磨いた方が効果的だと思うが…