暮れと正月は実家で過ごした。
毎年、選りすぐりの母の俳句が書かれた色紙が飾られてある。
今年も2点。
豌豆むく
娘の悩み
聞きながら
娘(僕の妹)と二人で夕食の支度をしている母。
娘は職場での出来事を悩みを交えながら話している。
エンドウ豆を剥きながら、娘の話に対応する母。
エンドウ豆の季語は初夏
そんな日常の初夏の風景を詠んだ句。
左義長や
祝詞の声の
風に消え
左義長(さぎちょう)とは関西での呼び方で、いわゆるどんど焼きのこと。
1月15日に、しめ飾りやお札、書初めなどを燃やす日本伝統のイベントである。この煙を浴びると一年間無病息災でいられると言われていることから、参拝客は火の近くに身を寄せる。
炎が風に揺れ、今まで聞こえていた神殿からの祝詞の声が聞こえなくなる。
そんな神社での小正月の風景を描写した句である。