肌寒い梅雨空が続く休日、僕は家路を急いでいた。
懸命に顔に出さないように平然とした表情を作るが、その時、実は辛い出来事を抱えながら歩いていた。
普段であれば、それをすぐに取り払うことはできただろう。しかし、今日に限って、それを取り払うことは困難であった。
鉛色の空からは、昨日から続く雨。先ほどから少し大粒になってきたようだ。
すれ違う人は、きっと僕がこんな辛い思いをしていることは知らないだろう。
恨めしく空を見つめながら信号を待つ。
決して耳に心地よくはない傘に当たる雨音が余計に気持ちを憂鬱にさせていた。
信号を待つ間、少し辛さは和らぐ。だが信号が青に変わると、その小さな侵入者は僕を苦しめるのだ。
その日はサンダルを履いていた。サンダルはマジックテープで固定するタイプのものである。クリーニング屋で仕上がり品のスーツ数着をビニールに入れ、傘をさして家路を急いでいた時、小石がサンダルの中に入り込んできたのだ。
いったんマジックテープを外し、サンダルを脱がなければ小石を出すことは不可能なのだ。だが、片手に傘、片手にクリーニングの仕上がり品を抱える状況ではそれは非常に困難なことなのだ。
仕方がないので、そのまま数百メートル先の家まで歩くことにした。
歩くたびに、痛! 痛!
とても辛い状況であった…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます