真面目な蕎麦屋さんです。
浅田さん、10年ほど前に初めてきた時は、レンタカーをうまく止められずにいた私たちを、店主自ら誘導灯を振って案内して下さいました。
できますものは、二八と十割に焼き味噌茎ワサビ。でも求道的な緊張感は微塵もありません。
今日も開店前に着いたというのに既に5組ほどの列があり、10分前に中へ入れてくれました。
長野県の指導だからと、大きな一枚板のテーブルに、広く間を開けて座らせてくれます。注文も入店順に、これまた店主自ら取り、大盛りできますか?と尋ねる客には、「たくさん盛ると、最後の方が美味しく無くなりますから。足りなかったら追加して下さい」と丁寧に訳を説明します。
そして厨房に向かってオーダーを通すのですが、はて、跡継ぎでもできたかと訝しむと、すぐに自ら中に入り、釜に蕎麦を泳がせます。ほとんど間をおかずに引き上げ湯切り盛り付け、奥様とお見受けする女性が間髪入れずテーブルへ運びます。
まさに流れるよう。
一枚だけ写真を撮らせて頂き、何もつけずたぐります。
そばの凄烈な香りが、纏ったこの地の地下水と共に、口の中で弾けます。
自然に目を閉じて、口の中の心地よさを封じ込め、やはりコチラのお蕎麦は最高至福と、味わえる自分の幸せを実感します。
一枚食べ終わるにさほど時間はかかりません。蕎麦を提供する作業が一瞬空いた隙にお支払いをして、ただただ美味しかったです、としか言えないのももどかしく、外へ出ました。
するともう、壁沿いだけではなく、通りを挟んだ向こうにも待っている人たち。
お先に。皆さんにももうすぐ幸せな時間が訪れます!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます