前回の韓国訪問時,辛氏火炉に予約をしながら行き着けなかった(→リンク)のがくやしかったので,今度こそと,同じ店を目指しました。
前と同じく日曜日ですから,明洞に2軒ある辛氏火炉のうち,開いているのは世宗ホテルの裏にある店だけ。今回は難なく見つけ,店に入りました。
旧正月の連休の最終日ということで,客はまばら。おしゃれな店内で,主人と店員一人が手持ち無沙汰にしていました。
ドゥンシム(牛)とサムギョプサル(ブタバラ肉)のセットを頼み,足りなかったのでアンチャンサル(牛ハラミ)も追加。良質の炭が,しゃれた火鉢に入って運ばれてくる。ただ,焼き肉屋の常でパンチャン(タダのおかず)は少ない。生野菜にケッニプ(エゴマの葉)がないのも減点です。
焼き肉屋としては安いほうなのですが,量に比べるとそんなに安いわけではない。だいぶ前に,初めて行ったときは,雰囲気の良さに感激して,しっかり味合わなかったのでしょうか,肉質も大したことない。旧正月明けで,回転が悪かったのか,ちょっと古い感じ。
それでもビール,ワイン(ハウスワイン),焼酎を空けるうちに酩酊状態に。
8時過ぎに店に入り,店を出たのは10時を回っていました。
ところがそのころ,明洞から目と鼻の先の南大門で,大変なことが起こっていたのですね。
日本でも大きく報道されたとおり,ソウルの象徴ともいえる国宝第一号,崇礼門(通称南大門)が放火によって全焼。
たぶん,その時間は何台もの消防車が集結して必死の消化作業をしていたのでしょうが,明洞の喧騒に紛れて私たちの耳には届かなかった。
私が事故を知ったのは,翌日のホテルのトイレの中。日本の知り合いが,日本のニュースを見て驚いたといって,メールをくれたときでした。
十年ぐらい前,南大門の補修工事が行われていて,○○建設のブルドーザーが派手に土台を崩していたので,国宝なのにずいぶん大胆なことをするなあ,と思ったものでした。
屋根もセメント(漆喰?)で固められ,きれいはきれいだけれども,もう少し原型を尊重することができないものかと思いました。でも,今回のニュースでは,南大門は,建造以来600年も経っている,ソウル最古の木造建造物であることを知りました。でも,私が見た工事の派手さから見て,600年前の建材はほとんど残っていなかったのではないでしょうか。
それにしても惜しいことです。
ちょうど大統領の代替わりの時期であり,またまた「大統領の人徳」が云々されるのかも。
かつて金泳三の時代に,橋が落ち,飛行機が墜落し,遊覧船が沈み,デパートが崩壊し…,と大事故が立て続けに起こったとき,KYがクリスチャンの票をとるために教会ばかり大事にし,もともと仏教信者だった自分の家で,仏像を納屋に放り込んで放置した祟りだなんていう話(うろ覚え)がありました。
今回の火災は,ノムヒョン大統領の不徳なのか,イミョンバク次期大統領の不徳なのか…。
日本のネットでは、揶揄を籠めて、大韓民国の大新聞の過去の記事を採録してます。
2004.10.19中央日報「国家の宝」
建築美にさして優れてもいない南大門を、日帝が勝手に国宝第一号にした。植民地時代が残した一種の文化的烙印を、独立後も額に押されたままの恰好だ。国宝第一号を変えて、大韓民国の文化的自尊心を取りもどそう!
2005.11.8朝鮮日報「監査院・国宝1号を変更すべき」
監査院の結論:
日帝の植民地史観に基づく決定であった。
歴史の建て直しの観点から国宝・宝物を再指定しなきゃいかん。
南大門は世界遺産に指定されてもいない、国宝1号は不適切だ。
2005.11.10東亜日報「国宝・南大門、【第一号】を譲るか」
文化財庁は、国宝第一号の再指定は現在検討中。
クルクル「論説」を変える大韓民国の大新聞。
大韓民国のTV・新聞はアオリがイノチなのでしょうか。
再建が早速計画されているようですが、赤犬(放火魔)から再建南大門を護るには鉄筋コンクリートが一番ではないえしょうか。
大阪城・名古屋城の天守閣は何れは崩れるでしょうが燃えません。さすれば、大統領の不徳も責められないでしょう。
それとも、土台ごとロッテワールドにでも移設しますか。クルマの流れがスムースになるかもしれません。
当時の新聞記事を検索して,数種類読んでみましたが,日帝が指定した「1号」をそのまま踏襲したのは怪しからんという議論が多かったようでした。