コンコン狐は生姜湯でおおかた祓えた模様。
おおかた、というのは、1ダースいたとしたら(いたのか?)
1尾か2尾は残っているかもしれない、という状態。
それくらいなら言い聞かせるなり丸めこむなりできそうなので、
今のうちにと街に出かける。
メインは風鈴丸さんの個展。
10年前から大好きでずっと見てきた木版画家さん。
木版というと墨っぽい日本民話的なイメージがあったが、
この方の作品に出会って大きく認識が変わった。
作品の多くに猫が登場する。
牛乳太郎という不思議な妖精たちも遊んでいる。
10回見ても必ず泣きそうになる絵が何点かあるので、
それをなるべくじっと見ないように気をつける。
日本で一番SF的な眺めの街で、ボタン10個と、歴史の本を1冊買う。
歩道に面したカフェに入ると、まもなくガラス窓の外で
クリスマスのイルミネーションに無数の灯がともった。
ああ綺麗だねえ、と呟きつつ、お茶とケーキで、まったり。
12月にしては暖かな宵。
翌日。墓参のため駅前からタクシーに乗ったのだが、
30分経過してもいっこうに行き着かない。
なんとなく変だなあと思いつつも口に出せないでいるうちに、
年配の運転手さんの様子がだんだんあやしくなり、
ついに「ちょっとすいません」とコンビニに道を聞きに行ってしまう。
あらまあ。
運転手という仕事は、道をよく知っている人でなければ
できないものと思っていたら、そうとは限らないらしい。
帰りはカーナビのいうとおりに走ってもらったら無事であった。
うちの車にはカーナビがついていないのだが、
なかなか便利なものだということが初めてわかった。
(それなら行きもナビ使ってくれればよかったんだよね…)