閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

やみねこについて

2010-12-14 17:49:39 | Q&A

もうひとつ、サンゴロウ関連で。

◆匿名さんからのご質問。

>はじめて読んでから何年も経つのに
>いまだにやみねこの正体について考えてしまいます…

はい。
考えてくださってありがとうございます。
どうぞ深く深ーく考えてください(笑)

これはネタバレになっちゃうので詳しくは書けませんが、
最後のほうで、やみねこが「3度目だ」って言ってるのが鍵で、
じゃあ1度目と2度目に何が起こったのか?と考えていくと、
いちおうは読み解けるんですけども、
そこから先が、ねえ…(←と、他人事のように…)

ご参考までにですが、
『キララの海へ』のやみねこと『最後の手紙』のやみねこは
同じだという説と、別モノだという説があります。
別モノっていうのは、最初に登場するのがノーマルやみねこで、
あとのはやみねこに化けてる奴、とか。

あるいは実体のない、「心の中の」敵だとか。

自分自身だとか。

うーん。なるほど。

また、「やみねこ=作者」という怖い説もあり、
つまりサンゴロウを誰にも渡したくなかっただけだろ、とか…(こらこら)

ですが、こういうのはすべて後付けの解釈でして、
そもそも書いた本人でさえ、本が出て数か月たってから
「そうか、わかった!」なんて叫んでたくらいですから。
言葉で説明すると微妙にずれてしまう感じなので、
各自いろいろに解釈していただけると一番うれしいです。

(お答えになってません。もうしわけありません。
やみねこの生態に詳しい研究者の方のご意見もうかがってみたいです)

↑と小さい声で言ってみたら、さっそくこちらの記事が。

えーっと、ちょっとむつかしい、ですか?
とりあえず説明抜きで上のリンクを貼らせていただきましたので、
興味ある方はじーっくりお読みくださいませ。
作者本人はあんまり(ぜんぜん)考えてない人なので
「だ~~か~~ら~~ち~が~う~~」
がこちらでも繰り返されそうな予感。

 

 
 

 

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「黒ねこサンゴロウ」について

2010-12-14 10:01:57 | Q&A

◆白鳥さんからご質問をいただきました。

>黒ねこサンゴロウシリーズで、語り手がサンゴロウだったり
>イカマルだったりと、入れ替わる時は何か意図がありますか?
>それから「やまねこ」は「うみねこ」の対義語という感じに作られたのですか?


サンゴロウシリーズは、全巻を一人称で書きました。
語り手は、こうなっています。

前半
『旅のはじまり』=ケン(ぼく)
『キララの海へ』=サンゴロウ(おれ)
『やまねこの島』=ナギヒコ(わたし)
『黒い海賊船』=サンゴロウ/イカマル
『霧の灯台』=サンゴロウ

後半
『ケンとミリ』=ケン
『青いジョーカー』=サンゴロウ(最初だけ)/イカマル
『ほのおをこえて』=サンゴロウ
『金の波 銀の風』=サンゴロウ
『最後の手紙』=サンゴロウ

とにかくサンゴロウを書きたかったので、
サンゴロウが一番よく見える位置をさがして、
周囲をうろうろした結果、このようになりました。

人間の男の子ケンから見たサンゴロウ。
同じ猫族で医者であるナギヒコから見たサンゴロウ。
それに若い見習い船員のイカマルから見たサンゴロウ。
同一人物であっても、見え方は少しずつ違ってきます。
そこに、サンゴロウのひとり語りを重ねれば、
立体的な像が浮かび上がるのではないかしら…と思ったわけです。
(このあと、さらに「ドルフィン・エクスプレス」シリーズに移行して、
また別の角度からテール君に「見て」もらってます)

さて、1章ごとに入れ替わるのは『黒い海賊船』ですね。
このときは、イカマル君がまだちょっと頼りなくて、
1冊まるごと任せるのは心配な感じだったので、
親分に半分手伝ってもらいました。
実験的というか、まあ、ほとんど作者のお遊びで。
1章の最後の「イカマル、でてこい」で2章につなぐ呼吸が
自分ではすごーく気に入っています。

『青いジョーカー』は、ほとんどイカマルひとりで大丈夫でした。
こうなると、イカマルにわからないことは読者にもわからないわけで、
それだけミステリアスなサンゴロウが書けて楽しかった~。


やまねこ族とうみねこ族は、最初から
一対のもの、対立するものとして設定していました。
でも、歴史的な因縁などは書きながら途中で考えていったので、
『ほのおをこえて』の頃は歴史年表みたいなものを作って、
「えーっと…??」と見ながらやっていました。

 

 
 
 




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