閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「にゃんともクラブ」

2015-09-24 10:49:02 | お知らせ(新刊)

秋の新刊のご案内。幼年童話です。

『にゃんともクラブ』 (小峰書店 2015年9月刊)

 「にゃんともクラブって?」
 「ねこのともだちのことを、みじかくして、にゃんとも、というんだ」
 「ふーん。じゃあ、にんげんのともだちだったら…にんとも?」
 「そうそう」
 

これまでずいぶんいろんな猫の本を書いてきました。
猫がよその家に「就職」する話とか。
猫が飼い主から「独立」する話とか。
猫に子どもが「弟子入り」する話とか。

猫と人のかかわり方には、じつにさまざまなパターンがあります。
今回は、猫と人との「おつきあい(初級入門編)」というところかな。
ただし、つきあう相手は、ペットショップで買ってきた
可愛い子猫ではなく、おとなの「のらねこ」ですが。

野良猫(いまふうに言えば「地域猫」)については、
何が何でもゴハンあげなきゃ!という人から、
法律で取り締まるべきだと主張する人まで、好き嫌いも含め、
いろんな人がいて、猫側にも人側にもさまざまな問題があり、
なかなかひとまとめには書きにくいのですが…

家の外で、知らないよその猫とつきあうのは、
ちょっぴりスリリングでミステリアスな体験です。
それは本野良かもしれないし、半野良の外猫かもしれないし、
もしかしたらプチ家出中のどこぞの飼い猫かもしれないけれど、
「うちの猫」とは一味違って、なかなか奥が深く、楽しいものです。

人と、人以外の動物が、自然な形で対等に出会い、互いに相手を観察し、
理解し、尊重しながら、少しずつ関係を築いていく。
そういう経験って、子どもには(おとなにも)とても貴重なこと。
だから、町の中で野生動物に出会うのはまあ無理だとしても、
ご近所に野良猫なんかがふつうにいる環境って、いいんだけどな。
うん、できれば、いてほしいな。
生き物もゴミも一緒にきれいさっぱり排除した清潔な町より、
猫がのんびりくつろげるような「ゆるい」町のほうが、
人間だって生きやすいのではないかな。
と思うわけです。

私事になりますが(とわざわざ断るまでもなく、
わたしがここに書いてることはすべて「私事」でありますが)
ちょうど1年前の秋に、猫のマドリ(またの名バルト)を見送りました。
歴代猫の中で初めて、野良の成猫♂としてやってきて、
なでさせてくれるまでに半年以上かかった子でした。
Mが噛まれて何針か縫うという事件もありました。
でも、いったん馴れたら、もうべったりの猫になりました。
わたしがお風呂に入っていると、どこからかおねずをとってきて、
バスマットの上に置いて、「にゃおん、にゃおん」と
恋人のように甘い声で呼ぶのでした。

この本の原稿は、マドリに出会う数年前から書いていたもので、
グレイの猫という設定も、たまたまそうなっただけでした。
でも、出来上がった本を見ていると、どういうわけか、
マドちゃんのおかげで書けたような気がしてなりません。
まったく猫は偉い。
ありがとう、マドリ。

絵は、かとうまふみさん。
猫のいろんな表情やポーズをいっぱい描いてくださっただけでなく、
表紙や見返しのアイデアなどもすごーく楽しいです。
わたしのお気に入りは、「温泉まんじゅう」と、裏表紙の「トランプ」。
眉間のシワが、にゃんともキュート。


写真の「ダンボールとタオル」は撮影上の演出(?)です。
この状態で売っているわけではありませんのでご了承ください。
(意味がわからんという方は、ぜひ本文をごらんくださいませ)

 
 

後ろでジャマしてる白黒猫もオマケではありません(笑 

 

 

かとうまふみさんからいただいた、にゃんともカード。
いいでしょう。
(真鈴ちゃん、台にしてごめん) 

 


 

にゃんともクラブ (おはなしだいすき)
竹下文子・作
かとうまふみ・絵
小峰書店 2015年

 

小峰書店のサイトでは、最初の数ページ「立ち読み」ができます。 

 

 

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