モズがキチキチと鳴きだした。
しばらく聞かなかったヤマガラの声も戻ってきた。
きのこのシーズンはいつのまにか終わり、
栗の実も先日の風ですっかり落ちてしまったようだ。
彼岸花と入れ替わるように吊舟草。
この花はお客を選ぶ。
蜜が奥深くにあって、口の短い虫は届かないからだ。
長いストロー持参のマルハナバチ、オオスカシバ、
ヒメクロホウジャクたちで連日にぎわっているカフェ吊舟。
見ていると、同じ花に、ひっきりなしにお客がくる。
どうも花と見れば手あたりしだいに入っているような気がする。
花の蜜って、どんどんあとからわいてくるものなのか、
それとも、飲んじゃったらお終いなんだろうか。
入ってみて「あ、ないや」と出てくる。すぐ入れ替わりに
別のが入って「あ、ないや」と出てくる。
そのへんを一回りして、また同じ花に入って、「ないや」と。
そんなふうだとしたら、ずいぶん効率が悪そうだけれど、
結局はその方法しかないのかもしれない。
ころころもこもこした働き者のマルハナバチはとても可愛い。
花瓶にさすためにトレニアを摘んでいると、手に持っている花にまで
次々とやってきて、帰るに帰れなくなる。
どれほど甘いのかと、ひとつもらって味見をしてみたが、
まったく何の味もしなかった。
毎年、見るたびに、不思議な形の花だなあと思う。
どうしたらこの形をうまく説明できるかと、あっちから見たり、
こっちから見たり。
クレちゃん、上見たり、
下見たり。
本日の「いいね!」
太秦江戸酒場 琳派の秋
大人のテーマパーク。豪華。