さらさらと風が吹き、桜の葉は早々と散り始め、見通しがよくなってきた。
さまざまな色彩の混在するいまごろが、景色はいちばん美しい。
原始時代には人にも重要な食糧だった、どんぐり。
子どもが夢中になって拾うのは、それを記憶しているからだ。
すべてのことに理由がある。
あたりいちめんにどんぐりを降らせる大きなコナラの木。
大きくても小楢というのを、まえから不思議に思っていたら、
楢(=ミズナラ)に比べて小さいから、という説明を見かけた。
どんぐり図鑑を見ると、たしかに、葉も、実も、ミズナラより小さい。
おなじコナラでも、若い木は、どんぐりも小さめだ。
ムラサキシキブ。
アブラチャンの実。
熟したものからはじけて落ちる。
チョコボールみたいなまんまるの種がひとつ入っている。
種の近くに、はじけた皮も落ちている。
種を割ってみたところ。
とってもナッツっぽいけれど、食べられるという話は聞かない。
それでも、ついつい拾いたくなる、このかたち。
油分を多く含み、昔は絞って灯明油に使ったとか。
こちらは、お隣のムクロジ。
大きな羽状複葉が、夏には涼しげだし、晩秋には黄葉して美しい。
長いことニワウルシ(神樹)だと思い込んでいた。
今年はじめて実がついたのを見て、「あれれ?」と。
ムクロジさんでした。失礼しました。
ムクロジの青い実が落ちている。
これが熟すと、琥珀色にかたくなって、中の黒い種は
羽根つきの羽根の玉になる。
おっと、クレちゃん、食べてはいかんよ。
ムクロジの実はサポニンという成分を多く含む。
サポニンは界面活性作用があり、昔は洗濯に使ったそうだ。
どれどれ、ちょっと試してみましょうか。
表面にちょいちょいと傷をつけた実をコップに入れ、
すこし水を入れて、手でふたをして、10秒シェイク!
ほら、石鹸みたいに泡立った!
(サポニンは口に入れると毒なので扱いに気をつけてください)
「昔は」というけれど、いつごろまで実際に使われていたのだろう。
「うちのおばあちゃんが使っていた」という方、いますか?
戦国時代末期にはポルトガルから石鹸が渡来している。
もちろん当初は貴重品で、庶民の手の届くものではなかった。
国産の石鹸が量産されるようになったのは明治も後半になってから。
それまでは、洗顔には米ぬかなど、洗濯にはムクロジや、
同じくサポニンを含むサイカチの実などが使われたらしい。
お店で、売ってたのかなあ、ムクロジ。
それとも、各自探して拾ってくるものだったのかな。
本日のにゃんこ。
貫録の親方。
双方、がっぷり噛みついてころげまわって手がつけられない。
暗がりで黒猫はよく見えないので、なんとか見分けられる縞々のほうを、
手近にあった補虫網で「こら」とつついたら、ようやく相手は逃げたが、
さんちゃんはすかさず追いすがり、数メートル先でまた組みついて、
ギャオギャオギャオ!とやっている。
そうやって少しずつ家から遠ざかっていき、
どうにかテリトリー外に追い払うことに成功したようだ。
朝になったら、さんちゃんは階下の椅子で寝ていた。
間近でよく見たわけではないが、ジャッキー・ロンという奴は、
(あ、ロンは龍ではなく、シッポが長いロングのロンです)
たぶんさんちゃんより若く、体力気力ともにピークの時期にある。
そして、一般に、攻める側のほうが守る側よりはるかに強気だ。
ジャッキーが本野良だとしたら、さんちゃんが有利なのは、
「ゴハンをしっかり食べている」(=体重がある)という点だけだろう。
猫の10歳半というと、人間ならそろそろリタイアを考えてもいい年齢。
ニュートラル猫で、家猫なんだから、無理に闘わず逃げてくればいいのに、
毅然として逃げないさんちゃんは偉い。
弟子はまだコドモだし、あとは女子ばかりだし、
まだまだ引退はできないか。
怪我しないよう、ほどほどに、がんばっていただきたいです。
本日の「いいね!」
こうして見ると、日本はかなりクオリティ高い。
(麒麟もドラゴンの一種でいいんだっけ?)