閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

見習う

2009-07-07 11:31:25 | 日々
猫は、さまざまなことを体験しながら学習するが、
猫同士で、教えたり、習ったりすることはない。

という話を以前書いたような気がしますが、
あれ? そうでもないか? という例を目撃しました。

すもも嬢さんのお気に入りの遊びのひとつに
「もぐらさんごっこ」というのがあります。
布団を敷くとき(ヒトが、ヒトの布団を、ですよ)
敷布団とシーツの隙間をねらって頭から「ずぼっ!」と飛び込み、
「ばりばりばりばり」と縦横にトンネル掘って遊ぶこと。

これは、誰にも習っていません。
嬢さんが独自にあみだした遊びです。
ヒトがシーツの上からつっついたりしてかまってあげると、
それはもう大興奮で、ひっくりかえって爪立てて暴れまくり…。
11歳になったのですが、いまだに機嫌がいいとこれをやります。
干したての布団や、洗いたてのシーツだと、とくに喜びます。

昨夜も、「こーら、出てこないと踏んじゃうよっ」などと、
もぐらに手こずりながら布団を敷いていたところ、
部屋の隅の箱で寝ていたさんちゃんがむっくりと起きてきて、
「ん? なんだなんだ? 姉上は何をしておられる?」
と不思議そうに近寄り、しばらく眺めていたあと、おもむろに、
「こうか?」と真似して……ずぼっ!

で、けっこう気に入ったらしく、
「こうかな? いや、こうだぞ。よーし、これではどうだっ!」
と、自分でバリエーションを考えて遊ぶのでした。

猫は、他の猫の行動を見て学習することもあるのですね。
今回のは、すもものほうから「教えた」というわけではありませんが、
(さんちゃん来たら、すもも逃げました)
本来「群れ社会」をつくらない猫にも「見習い行動」がみられるというのは
なかなか興味深いです。

飼われている動物は、オトナになっても「子ども気質」が抜けないもので、
さんちゃんも、ごく一時的に「なんでもお母さんの真似してみる子猫」
の気分になっちゃった、ということなのかもしれません。

しかし。
身体も大きく爪もすごいさんちゃんが「もぐらさん」をやると、
確実に寝具がいたむので、なるべくやらないでほしいんだな。
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毛糸店

2009-07-06 08:34:30 | 日々
アジサイのシリーズもそろそろ終わりに近づき、
2階の窓から真下をねらってパチリ。
さあ、この中に花はいったいいくつあるでしょう?(笑


母が編み物の先生をしていたことがあり、
中学生くらいのとき、よく材料の買出しについて行った。
店内には歩く隙間もないほど商品が積み上げられ、詰めこまれ、
人ごみと暖房と繊維と染料のにおいでたいてい気分が悪くなる。
でも、毛糸は美しかった。
キャトルパンガン、ルシャボッテ、といったフランスの毛糸は、
名前からして魔法めいて、うっとりするような甘い中間色がある。
下手に編んで身につけるよりは、ふんわり玉に巻いたまま、
グラデーションに並べて飾っておきたかった。

大株のアジサイに花がたくさんついているのを見ると、
あ、毛糸屋さんみたい、と思います。
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勢力地図

2009-07-04 14:27:05 | 日々
猫たちの頭の中は単純だが、情報は日々更新される。
5匹の力関係が、また微妙に変わってきたようだ。

すももが2階からおりてくる気配を察すると、
きなこは「敵機来襲! 全員退避ッ!」とばかりに
居間のストーブの下に逃げ込む。
ストーブは頑丈な鉄製で、下には15センチほどの隙間があり、
後方にはれんがを積んだ壁もあって、防空壕というより要塞の趣がある。
ここに入ってしまえば、すももは手の出しようがない。
危険が去るまで、きなこは、ぺったりと身を伏せ、
おかっぱ少女みたいな真面目な顔で隠れている。

すももが、これまたじつに執念深く、きなこを付け狙う。
かごで熟睡しているときなどを見計らって、忍者のごとく
抜き足差し足で忍び寄り、いっきに上からとびかかる。
ただ面白いことに、毛が少々散ることはあっても、双方怪我はしない。
きなこのほうも、決していじけてびくびく暮らしているわけではない。
「警戒警報発令! よぉし、来た来たッ!」
なんとなく、お互い、楽しんでるのか?というふしもある。
きみたちねえ、サバイバルゲームならお外でやんなさい、お外でッ!

黒猫ズは、基本的にのんきな性格で、気まぐれでもある。
珊瑚は、外で何やら(何だかは不明)冒険をしてくると、
帰ってから興奮がおさまらず、他の子につっかかることがたまにある。
きなこは、さんちゃんにくっついていればゴハンにありつける!
という時期をひとまず過ぎたので、むしろさんちゃんを避けるようになった。
真鈴は真鈴で、お姉さんぶってなめてやっているかと思えば、
一転してシャーッと威嚇することもあり、対応パターンが不安定だ。
そもそも真鈴ねえちゃんはお留守のことが多いので、
きなこにとっては、いまだに謎な存在らしい。

さて、位置的に微妙なのは茶々姫。
きなこと茶々、どちらも野性味が一番強いと言われるキジトラだが、
きなこは野良猫あがりで、用心深さとしたたかさを兼ね備えている。
お茶々のほうは、やや洋猫混じり(お母さん猫が雑種)のためか、
フレンドリーで甘えっ子、しかも根っからの飼い猫で苦労知らず。
で、この2匹、どうなるかなあと見ていたら、
茶々は、意外とあっさりきなこを容認してしまった。
嫉妬から過激な攻撃行動に走るすももとは対照的である。

容認されると、きなこは、とたんに強気に出る。
きなこのほうから茶々にちょっかいを出すシーンもたびたびある。
茶々は反撃も抗議もせずおとなしい。
(あれえ? すももに負けるきなこが最下位かと思ったら、
そのすももより強い茶々に、きなこは勝ってるのか?)
ゴハンを食べているとき、きなこの姿が視界にちらちらすると、
茶々は、さりげなくお皿をゆずって退散する。
そして、あとでヒトの食卓にあらわれてすわりこみ、
爪つきの「くれくれ攻撃」で迫り、強奪する。
(あれえ? きなこに負ける茶々は、ヒトより強いのか?)
バランスのとりかたにも、いろいろある。
毛色から性格まで、同じ猫は1匹もいない。

ガリガリのやせっぽちだったきなこは、
半年たって、すっかりふくふく猫になった。
上から見ると胴体部分がほとんど長方形に近い。
どこをさわっても柔らかい。
抱くとずっしり重たい。
いつまでもおとなしく抱かれている。
なんとなく、豆シバの子犬みたいな感触でもある。
毎日、猫の観察ばかりしている閑猫も
ずいぶんひまだなあと思われることでしょうが、
いえいえ、わたしは毎日こういうことに忙しいのですよ。
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住人

2009-07-03 17:17:44 | 日々
くもの巣を写真に撮るのが難しい。
水玉がたくさんついて、その形がはっきりしたところを狙う。
でもオートフォーカスだから、うっかりすると
網目を通り抜けて向こう側のものにピントが合ってしまい、
本体がきれいに写らない。
便利でおりこうなカメラだが、やはり機械は機械である。

きょうは巣の持ち主が在宅だったので、
ようやくピントが合った。
この網は透明で見えないことこそ大切なのだから、
きらきらの水玉飾りを、決して喜んでいるのではないと思う。
画像をクリックすると「住人のコメント」が聞けます。

というのは嘘。


スーパーに七夕の笹飾りがあって、
さまざまな願いごとの短冊が吊るしてあった。
「おかあさんにおしごとがみつかりますように」
小さい子どもの字でそう書かれたのをみつけた。
わたしはおしごとがあるだけでも幸せだなあ。
と、珍しくまじめに考える。
七夕の夜は晴れるだろうか。

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いんげん

2009-07-01 16:41:37 | 日々
ここ何年か、さやいんげんがうまく出来なかった。
昨年は、途中までは元気に伸びたものの、収穫はほとんどなし。
今年もあきらめ半分で種をまいたら、なぜか、久々の豊作。

モロッコいんげんと呼ばれる、莢がひらたくて大きい品種と、
ケンタッキーワンダーという従来の細いのと。
畑に行けばあっというまに「売りたいほど」の量が採れる。

茹でて、サラダ、おひたし、胡麻あえもいいし、
洋風にソテーもいいし、醤油味で煮つけてもいいし、
とにかく応用範囲が広いのが嬉しい。
薄く衣をつけてカリッと揚げて塩をふったのも美味しい。

好きなだけ食べられて、今年はいいなあ、と思っていたら、
風でケンタッキーの支柱が折れて、
半分ほどぐしゃりと倒れてしまった。

そういえば、支柱にする竹をとりに行ったとき、
やぶの縁に倒れているのが何本もあったから、
ま、これでもいいか、と適当に拾って持ってきたのだった。
こういう手抜きをすると、必ずあとで自分が困る。
あとで直すくらいなら、最初にちゃんとしておくほうが楽だ。
駄目ですねえ。


雨模様の日。
猫たちはみんなよく眠る。
あっちでもこっちでも、くにゃくにゃになって熟睡している。
きなこは、縁側の上がり口のマットも、台所のマットも、
両方ともかじってかじってぼろぼろにしてしまった。
サバンナで獲物をかじっているライオンみたいに幸せそうである。
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