ようやく花壇の衣替えが完了。
2つの細長い花壇に、パンジーを8株ずつ、計16株。
もうずっと毎年同じ。
夏のサンパチェンスが、何度か鹿に芽を食べられたり、
猪に根こそぎひっくり返されたりしながらも、
負けずに大株になって、秋になっても花を咲かせ続け、
根もしっかり張っているので、交替を先のばししていたが、
もうそろそろいいだろう、と思って。
サンパチェンスは丈夫で、西日だろうと半日陰だろうと平気。
猛暑でぐったりしおれても、夕方にたっぷり水をやると、
翌朝には何事もなかったように生き返っていた。
折れたら折れたで、そのへんの土にさしておけば、
すぐに根を出し、平然と大きくなっていく。
交配で作り出された新種の園芸植物なのだそうだ。
栽培が容易で、手間がかからない。
しかも環境浄化力が強い、とのこと。
その上にぜいたくをいっては申し訳ないが、
あっけらかんとしすぎて、逆に物足りない。
色も形も単調だし、それに、大きすぎる。
ひとつも種はできないが、次々と、次々と咲く。
いつ見ても同じように咲いていることに違和感をおぼえる。
造花、というより、植物アンドロイド?
これが種のできる植物だったら、大変だ。
2、3年もすれば、このあたりは完全にサンパ帝国となり、
生態系が変わってしまいそう。
パンジーも品種改良が進み、昔のままではないけれど、
それでも、パンジーが並んだ花壇を見て、ほっとする。
花はこういうのがいい。
姿が可愛らしいし、たくさんある色の中から
取り合わせを考えて選ぶのが楽しい。
黒の模様が入ってくっきりした顔立ちのものより、
単色か、白地にグラデーションのものが好き。
昨年は、店先で、よし、あとオレンジのを4つ!と思って、
まず1つとってかごに入れたら、どこかのおじさんが、
横からさっと手を出して、残り3つをさらって行ってしまった。
「あ・・」と思ったが、しかたがない。
1つだけでは落ち着きが悪いので、やむをえず
それを戻して、配色をやり直した。
今年はしっかりオレンジを最初にゲット。
けっこう執念深い閑猫。
「デンジャラス・デイズ」というドキュメンタリーを見た。
リドリー・スコット監督の映画「ブレードランナー」の
できるまでを、制作者と出演者たちのインタビューで
つづった、いわゆるメイキングである。
100分を超える長さの、隅から隅まで興味深い。
有名な「夜と雨とスモーク」のシーンが、なぜ出来たか、という
意外な種明かしを聞いても、「なーんだ」とは思わない。
予算と時間の限られた厳しい条件下で、
やりたいことを、どうしたら、やれるのか。
ひとつ壁にぶつかるたびに、単なる代案でなく、
さらに上回る素晴らしいアイデアが生み出されていく。
近年の作品には、正直いって「うーん・・」というところも
あるのだけれど、やっぱり、リドリー素敵。
オレンジのパンジー。