嬉しいもんさ
夕に映える黒髪の少女の
暗黒へ容易にアクセスするハンサムな彼の
ブルーな涙は
あわあわ震え
見えなくなるまで
夕陽を目で追った
僕ら二人の妄想は
天空の星の囁きと
同期する
「どう、キスする?」
と、戸惑う僕らの
いつものおっちょこちょいに
月も、相変わらずね、と微笑する。
I Love you も、ろくに言えない
暗黒の王子に、夢が毛布を広げて . . . 本文を読む
ごめん、誤解してたみたいだ
君は、並の怠惰な野郎じゃなかった
僕は、並んで歩くことに恐怖してたみたいだ
君みたいな恐ろしいまでの怠惰を貫く野郎と
いつのまにか、理念は爆発したみたいだ
君と約束を交わした飛行船に乗ったまま
夜の合間に沈潜していった美しい少女の
孤独な貝は
今、大口開けて
世界の破滅を待っている
コタツに潜り込む
毛だまりのように
僕は
あからさ . . . 本文を読む
夢が腐り
愛が朽ちるとき
ひら、ひら来るとして
赤く揺らめく灯し火は
消えることはない
とく、とく
難題を溶かす心臓の鼓動が
こんな困難を迎える午後にだって
聴こえるでしょう?
モノクロの風景に
言葉が色を灯してゆくように
雪の表情は
僕らの笑顔を呼ぶでしょう
真っ黒な意志で
僕らの表情が埋め尽くされるとしても
穏やかな朝がやってくるように
温かな毛布にくる . . . 本文を読む