水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

めろうな夜

2017年09月21日 20時27分04秒 | 詩編
時おり 頷く君に問う 「世界の本質は何いろしてる?」  「それはあなた、真しろのインク。」  ふたつめに問う  「世界の本質はどんな音いろ?」  それはねあなた、真っ青なリスの呻く声。  みっつめには  「世界の本質はどんな香り?」  それはねあなた、真っ茶色の湯気の淫らな香り。 . . . 本文を読む

切羽より喝破より熱い日々を

2017年09月21日 20時06分54秒 | 詩編
論理性を高めたって スカイツリーの目指した空の先へ 行けるの? ぼくら ロープウェイにぶら下がった文明の欲望を 空に飾りつけることからはじめよう 理屈を畝に並べて植え込んでいって 実る赤や黄色の真実に近づくために 踊ろうよ . . . 本文を読む

別れと結合の記憶を

2017年09月20日 23時18分00秒 | 詩編
 分裂した 記憶と 記憶を  再び繋ぎ合わせるとき  発生する白の電流は  あなたの本性を  暴き出す性質を持っている  外は カラカラの空っぽな空間  身じろぎひとつで大風を起こせるほどに  空間と空間が密集している  頭から被った  本能のレースの端っこを  唇で噛んで  世界をゆっくり  ひっくり返した   あなたとふたり . . . 本文を読む

透明な眼差し

2017年09月20日 23時15分40秒 | 震災メモ
僕ら 見つめ合った  ふたつのガラス窓越しに    外は 雪が 降っていた  止まらぬ 夏の追い上げに  冬は 困り顔をしていた  このエリアは  冬も 夏も 混ざり合うようにできている  僕の意識の在りようを  真似ているようだ  砂を噛むように  耳に入ってきた  君のヒソヒソ呟く声も  宇宙の彼方で  煙みたく消えた  広げていたね  宇宙の暗さを . . . 本文を読む

ガラス窓の誘惑

2017年09月19日 13時07分56秒 | 詩編
 高層ビルの飾らない対話に  青風吹いて、あの娘の髪も揺らしたら  透明に映える都会の夕日も妬けるだろう  「永遠」を溶かして、頬張るアイスクリームに   絡めるソースは雪の味    打ち上げた刹那の生命を  見上げるなら  この夏は  滝のように  我が身を打ちつける  試練の愛によく似ている . . . 本文を読む

歩くスピード

2017年09月16日 00時31分58秒 | 中途詩篇
僕は 僕の速さで 行くだろう 雲に遅れず 風を追い抜かず 別れを惜しんでも 後悔なんてしない これからの永い 永い旅路を思うなら… 何を思い患うことがあるだろう 僕らははじめから狂いをインストールされている 正確になるために 芳しい心のスピードで 僕はこの人生を消費する それがおそらく 後にも先にも 僕を人間らしくする . . . 本文を読む

The sound of happiness

2017年09月15日 23時30分49秒 | 詩編
   幸せの音は  かくのごとし  何かを喪失した瞬間の  キーを落とすような音  神の許可も得ず  深く潜っていった  意識の深層  僕という遥かなる独自性  その奥へと繋がるトンネルを  冷えた鉄路で進んでいく    呼吸をするように  言葉を紙に書きつけて    永遠なんてのに  アクセスする  その向こうに  冷笑する  美しいビーナスの歌声が . . . 本文を読む

皆んなが平和をこいねがうとき

2017年09月15日 23時28分42秒 | 現代小咄
皆んなが平和をこいねがうとき  それは皆んなで食卓を囲むとき  湯気たつ白米を箸でつかむとき  意味なく顔を見合わせ笑うとき  すべての想いに人類がアクセスするとき  流す涙と流す汗が太陽のもとで最も尊く  見えるとき、それが僕らの幸せなとき  遠く朝日が昇って  僕らの顔を照らすとき  核融合のパワーは  僕らの手には負えない  あれだけ遠い関係性で 十分なんだと . . . 本文を読む

夢百年

2017年09月15日 00時03分49秒 | 詩編
両目を閉じて 泣いている 朝が オレンジを 抱いている 走り続けた タフな 暗闇が 今日こそ ゴールテープにたどり着こうと 足掻いている そんな息急くレースの結末は 終わりのない銀河の子守歌 遠く産声は真空の闇をつんざいて . . . 本文を読む