遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

古面40 アフリカ・クバ族仮面

2024年02月05日 | 古面

今回の品は、いかにもアフリカという感じの仮面です。

 

幅 31.0㎝x 長 38.20㎝ x 高 23.8㎝。重 790g。アフリカ・コンゴ民主共和国(旧ザイール)、クバ族。20世紀。

いかにもアフリカの仮面という品ですが、この手の物は意外に少なく、部族の特定ができませんでした。しかしその後、図録などの資料をあたり、この品が、アフリカ中央部コンゴ共和国の奥地に独自の文化様式をもつクバ族の仮面であることがわかったので、ブログを訂正し、アップし直した次第です。

クバ族は、アフリカ大陸の中央に位置するコンゴ民主共和国(旧ザイール)の内陸にある地域で、1900年頃までクバ王国を築いていました。そこはジャングルと広大な草原に囲まれ、孤立していたので、独自の文化が発達しました。
彼らを特徴づける工芸品は、ヤシの葉繊維から作った伝統的な布、クバ布と特有の仮面です。特に、クバ族の仮面をつけたダンスは、アフリカで最も美しく洗練された仮面舞踏会と言われています。

この面には、立派な角が2本、生えています。動物は不明です。

顔全体に生えた髪、髭は、植物繊維のようです(ところどころに、樹皮が付いている)。

これは、ヤシの幹の表面を覆っている樹皮繊維ですね。

眼には貝を嵌めています。仮面に貝殻を多用するのも、クバ族マスクの特徴です。

歯は、貝か骨で出来ています。非常に鋭い。

貝のせいでしょうか、微笑んでいるようにも見えます。

ところが、後ろを明るくすると表情が一変。

貝の眼の下に、面を被った人が見るための穴があいているのですね(^^;

円錐形に飛び出た目の玉と人が見るための穴(目)と2種類の眼があるのも、クバ族仮面の特徴なのです(^.^)

 

㎰.  パプアニューギニアの仮面の可能性もあります。

 


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6 コメント

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Unknown (ぽぽ)
2024-02-04 09:25:18
遅生さんへ
今回のお面は鬼みたいですね!
丁度昨日子供と節分の豆まきをしたところでした(^^)
アフリカにも鬼がいるかもしれませんね!
神様だったらすみません(>_<)
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ぽぽさんへ (遅生)
2024-02-04 12:29:21
鬼には、時代を経るにしたがい、いろんな意味が込められてきました。結果、極悪非道の鬼というのはいないようです。
その表情にも、どこかに憎めないものを感じますね。
今回の品も、2種類の眼をもつと考えると、アフリカの面も、日本の鬼のように憎めないです(^.^)
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Unknown (capo)
2024-02-04 12:46:23
縄文土器のイメージもありますね
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capoさんへ (遅生)
2024-02-04 14:18:15
アフリカの仮面は、プリミティブアートでもありますから、縄文土器の雰囲気と似ていますね。
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遅生さんへ (Dr.K)
2024-02-09 19:43:53
いかにもアフリカの仮面という印象を受けますが、部族の特定が難しいのですか。
眼に貝を嵌め込んでいるのですね。
アフリカ中央部の奥地まで、どうやって貝を運んでいったのか興味が湧きますね。
また、「円錐形に飛び出た目の玉と人が見るための穴(目)と2種類の眼がある」という所にも興味が湧きました。
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Dr.Kさんへ (遅生)
2024-02-10 07:56:17
これは簡単に特定できそうな面だと思い放ってありあした。
ところが、なかなかの難物でした。
クバ族は、アフリカのど真ん中にすんでいますから、貝は貴重品な装飾品だったでしょう。それとも、淡水の貝なのでしょうか。
決め手は、極端に飛び出た眼ですね。
これでパワーを得ようとしたのだと思います。
「部族変われば品変わる」ですね。
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