次期アメリカ大統領に民主党のバラク・オバマ上院議員が選ばれた。初の黒人系大統領の誕生で、アメリカは確実に変わると期待する。シカゴでの勝利宣言演説を聞きながら、1961年のケネディ大統領の就任演説を思い出した。
白人・黒人・ヒスパニック等の人種差別を無くし、全てのアメリカ人が心を一つにして変革を目指すとの決意を示したオバマのキーワードは、「Change」と「One America」。自分に投票しなかった国民に「私はあなた方の大統領でもある」と協力を訴えた。そして、有名な「of the people by the people for the people」を引用した。
一方、ケネディは冒頭、「政党の勝利ではなく、自由の勝利だ。それは、始まりとともに終わりを象徴し、変化とともに再建を示す」と宣言した。そして、締めの「ask not the nation can do for you,but ask what you can do for your country」は、鮮烈な印象を与えた。今の日本に欠けているのは、まさに「国が我々に何をしてくれるかではなく、我々が国のために何を出来るか」なのかも知れない。
当時、私は18歳。記憶力旺盛で英語に対する情熱も持ち合わせていたので、彼の演説をテープにとり丸暗記しようと努めた。今は、半分も憶えていないが、長い年月を経ても文脈だけは記憶している程、強烈なメッセージだった。来年の1月20日にオバマ新大統領が行う就任演説を楽しみにしている。