アパグループが募集した「真の近現代史観」懸賞論文で、最優秀藤誠志賞を獲得した航空自衛隊の田母神幕僚長の歴史認識が波紋を巻き起こした。明日、参議院に参考人招致される予定だが、論文を読んでみて考えさせられた。
要約すると、まずアメリカ軍が日本国内に駐留しているのを侵略とは言わない根拠を日米同盟に求め、中国や朝鮮における日本軍も同様の条約に基づいたもので合法的だとする。そして、当時の列強といわれる国々の植民地統治と日本との違いを、その国に対する思い入れの違いと捉えている。
いわく、日本は、人種差別が当然とされている当時に、「大和・朝鮮・漢・満州・蒙古」の5民族協和を唱え、仲良く暮らすことを夢に描いており、画期的なことだとの論陣だ。その実証として、日本が統治した間の人口増加(満州:3000万人⇒5000万人、朝鮮半島:1300万人⇒2500万人)は、教育に力を入れ、産業を振興し、生活インフラを充実するなどの穏健な統治を進めた賜物との主張だ。
日本が大東亜戦争をしなければ、現在のような人種平等の世界の実現は100年、200年遅れたに違いないとまで言及している。多くのアジア諸国があの戦争を肯定的に評価していることを認識しておく必要があり、我が国が侵略国家だったなどというのはまさに濡れ衣であると、結んでいる。
「零点」をつけた審査員もいる中で、何故、最優秀賞を獲得したかを次回は裏窓から覗きたい。