EU加盟国は、6カ国でスタートし、現在27カ国。同じEU加盟国であっても、国力の違いは歴然としており、拡大を続けるEUの深刻な問題の一部を垣間見た。
旅行中、チャーターした専用バスとドライバーは、ハンガリーの会社のものだった。プラハからブダペストまでの全9日間、同じバスを利用するのは便利で好都合だし、ドライバーにしても、国内より高賃金を稼げるので、双方にとってハッピーだった。
ところが、ドライバーへの意地悪話を添乗員から漏れ聞いた。たとえば、下車観光の際、自国のバスを駐車場に優先誘導したり、ホテルのポーターがスーツケース運びを断る等。国境を通過する際の手続きにも時間がかかった。4カ国の中で、賃金が一番安いハンガリーが、テリトリー荒らしをしたことへの報復行為だとか。
また、4カ国に共通したのは、インフレ。バスのドライバーが、「7月から又、バスの料金が上がる。今年に入って2度目だよ」と、ため息交じりに言った。付加価値税のアップによるもので、バスや地下鉄だけでなく、諸物価に影響する。訪問した4カ国は、すべてEU加盟国だが、私が前回訪れた時(2003年)は、オーストリア以外は、未加入だったので、当時との違いを肌で感じた。