広島に原爆が投下されてから64年目の夏を迎えた。今年の式典は、従来とは趣を異にしている印象を受けたのは私だけだろうか。麻生総理は、あいさつの中で、原爆症認定集団訴訟の原告救済に言及した。日本の戦後処理はまだまだ終わっていないが、邪推抜きで一歩前進したと思う。
私が今年、広島を訪れたのは、オバマ米大統領が、4月にプラハで演説したのを聞いた直後の5月だった。外国人の姿が多いのに驚き、内心、嬉しかった。「核兵器を使用した唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任がある」との一節をご記憶の方も多いだろう。 地球上から核を廃絶するのはた易くないが、安保理の常任理事国5カ国が「非核国を核攻撃しない」ことを保証する努力を望みたい。そのことが、北朝鮮をはじめインド・パキスタン等を非核化へ導く賢明なステップにつながる。
11月に来日が取りざたされているオバマ大統領が、その際、広島・長崎を訪れることを願っている。