最近、野菜の規格外品が人気急増しているという。少々、形が悪くても、新鮮で安く、味が変わらないとなれば、消費者にとって、歓迎すべき現象かも知れない。
だが、どうして規格品という概念が誕生したのかを考えると、喜んでばかりはいられない。流通業者が箱詰めや輸送の効率化のために、形を整えた方が便利だから規格統一を目論んだにせよ、形の良い物を好む消費者性向にも問題がある。
食料品を買う時、「なぜ、外国のように”量り売り”をしないのか?」と、いつも疑問に思う。外国の露天市場やマーケットでは、野菜でも果物でも殆ど量り売りだ。日本では、傷がつかないようにと、貴重品扱いする「いちご」や「桃」類でも、山積みにして売っている。
独居老人や老夫婦だけの世帯では、パック詰めでは多過ぎて不便でさえある。子供が多い家庭でも、必要量を買う方が合理的のはず。規格外品を大量に安く売るのも結構だが、過剰包装や捨てる文化から脱却し、必要な分だけを買い求めるという、ごく当たり前の消費文化に戻って欲しいと願っている。