きょうは、10月15日に行われた、ウラジミール・バベンコさんの講演から書いてみます。ベラルーシの研究所が行ってきた実際を、今の日本に適応できたら、すばらしいと思います。
「ベラルーシでは今も放射線の問題は未解決です。
日本の為に参考になることと思って言います。
ベルラード研究所は設立して約20年になります。
1990年創設。当時ミステレンコ氏が所長でした。
チェルノブイリ事故後、事故処理や避難についてかかわってきた所長です。
研究所は、第一に、ベラルーシの村の放射線のモニタリングをしました。
当初は、食品の測定、きのこやベリー類の測定の機器がなく、ホールボディカウンターもありませんでした。情報もなく、村人の疑問すら答えられません。
線量計が不足していました。また、国の数値の公表は信じられませんでした。
この研究所が設立したのは事故から4年後です。それは設備費、人材が足りない他、官僚主義との戦いがあったからでした。
研究所が次にしたことは、線量計を作り、線量計を使える人を育成することでした。
そして、汚染地区に各センターを作り、村人達はそこに食べ物を持って行き、線量を測り、その結果を公表し、人々の疑問に答える働きをしました。
その結果は、研究所に集められました。
(現在は村のセンターは皆無。
それは、食品汚染が日々証されて、政府が困り、閉鎖に追い込んだのです。)
次に研究所がおこなったのは、人体測定。
ホールボディーカウンターを置き、人々の内部被曝の放射線を計りました。
この機械は、椅子に腰掛け、背もたれで線量を計ります。
この機械は体には無害なので、妊婦も大丈夫です。
日本にはもっとこの機械が必要です。
子供の内部にたまったセシウムをきちんと調べてください。
ベラルーシの汚染地域の95パーセントにセシウムがみつかり、量は20ベクレルでした。
研究所と村人にとって敵は、国の保健省です。
保健省は、400ベクレルまでは大丈夫と言っています。
上下30ベクレルの差があり、年齢の差です。
ベラルーシも1年に1ミリシーベルトと限界値は決まっています。
次に研究所は、セシウムを排出させるサプリを開発しました。
ウクライナのペクチンをベラルーシに輸入しようとしましたが、税金など高く、結果、
自国で、ドイツとの協力でアップルペクチンを開発しました。
ペクチンを飲み、3~4週間後にまた測定します。
再測定は、子供達への効果を見るためではなく、子供と両親に効果を実感してほしかったからです。効くのはわかっていましたから。
そして、放射性物質を排出するための食事法を教えたり、汚染地区でのライフスタイルを知らせました。
家庭菜園の土の除洗、料理の下ごしらえ方、ペチカに使う薪の灰を肥料にまかないこと、牛乳を分離器にかけて飲むこと。
こうした教育は、サプリを飲むこと以上に大切です。
更に研究所は、教育プログラムを作り、書籍を出版、対策マニュアルのパンフを出版、教育のDVDをつくり、カレンダーには調理法やレシピを載せました。
これをセットにして学校などに配布。
渡すだけでなく、ゼミも開き、ここで学んだ人が、地域の他の人々に情報を伝える手助けになりました。
そのほか、研究所がしたのは、放射線実習センターをつくり、ネットワーク化しました。
このセンターは、国の支援はありません。
他国からの支援で成り立っています。
センターはクラブ活動のようになっていて、多くは学校で行われています。メンバーは学校の子供達。先生達が顧問です。
子供達は線量計を扱い、実際に計っています。
例1
森のきのこを採取し、センターで測り、どこが放射能が高いか低いか汚染マップを作ります。
例2
牧草地で乳牛の食べる牧草を採取して測り、それによって牛乳の汚染状況を調べています。
例3
キノコの種類によって放射能汚染の違いを調べます。また、キノコの軸とかさでの違いも調べています。
例4
学校の生徒がもし体内被曝が認められたら、生徒たちはその原因を調べ、食べた農作物の植わっていた土を調べ、被曝の原因を探ります。
これらは学校の生徒達がしていることです。
各センターは、地域にも開放します。
自分の家の食品を持って来て、調べます。
その結果をセンターの人に説明してもらいます。
また、ベラルーシの他の地区では「若い家族クラブ」ができています。
これは、家族会で、幼い子を持つ夫婦や、これから結婚したい人たち、子供をほしい人達で構成されています。
その一つはNGOに登録できました。登録されると国に対して医療検査を求められます。
ベラルーシは法が厳しく、なかなか登録させません。こうした団体が多くなると困るためです。
日本でも是非こうした取り組みをしてほしいです。
その他、食品測定や巡回測定もしています。
小型バスに機械をつみ、巡回します。
ベラルーシ人は、活発でない民族で、明日に先延ばししやすい性格の人が多く、巡回は効果があります。
巡回した後は、学校などで保護者会を持ち、結果を公表し、アドバイスします。
質疑応答から
(質問)
ストロンチウムが骨に蓄積し、将来白血病になると言われるが、ベラルーシではそのデータはあるか。また、ストロンチウムを排泄するものはあるか。
(解答)白血病はストロンチウムだけでなく、ラジウムやプルトニウム、セシウムでもおきる。
骨から排出するのは困難だが、体に取り込まないようにすべきだ。
にわとりの卵を固ゆでし、その殻を粉末にして、カルシウムとして1日2グラム摂りなさい。
卵の殻はカルシウムが豊富なので、サプリの代わりになる。
要はカルシウム不足にさせないことです。
カルシウムも体外に排出するため、不足してしまう。
カルシウムを摂る時、同時にリンも摂ると良い。
グリンピース、キャベツ類、紫の海藻などを摂り、サプリを併用してほしい。
(質問)WHOの暫定基準値は10ベクレル、日本の基準値は500ベクレル。
これをどう見るか。
(回答)基準値を決める時、経済性をとるか、健康をとるかによる。
健康を考えたら、私は0ベクレルという。
(質問)最近は東京でも鼻血が出ている子が増えている。これは一時的なことなのか、内部被曝なのか。また、0~6才ころまでに必ずするべきことがあれば教えてほしい。
(回答)ベラルーシでは、体内被曝35~70ベクレルが検出された子供達に、高血圧が認められ、70~135ベクレルの子達には心臓に以上が見られた。
子供達は保養所にいたが、運動やマッサージ、ペクチンを与えられていた。食事は汚染されていない物を与えられた。21日のプログラムで、21日後に再検査すると、多くが血圧も良くなり、異常が残った子もサプリを飲み続け、異常がなおった。
鼻血も放射能の影響かもしれないので、体外にセシウムを排出させてください。
菊芋は、汚染地区でも全く放射能の蓄積はない。葉にも根にもなかった。ビタミンやペクチンも多く、安全なので子供達にはあたえている。また、果肉入りジュースはペクチンが多いので飲ませてほしい。
豆類も良い。体内の放射能を吸着させて排出する。
ただし、豆は土からの放射能も吸着させやすいので、良く調べることと、外国製品を使う事。
以上です。
日本が、この研究所のしてきたことの少しでも参考にするなら、少しはいい結果が出そうな気がするし、民間でこのくらいのことができたら、政府に期待しなくても、もっと早くに対応できる気がします。
ベラルーシはいわば被曝対策の先輩ですから、日本では何をそこから学ぶか考え行けるといいと思いました。
ここあでした。
「ベラルーシでは今も放射線の問題は未解決です。
日本の為に参考になることと思って言います。
ベルラード研究所は設立して約20年になります。
1990年創設。当時ミステレンコ氏が所長でした。
チェルノブイリ事故後、事故処理や避難についてかかわってきた所長です。
研究所は、第一に、ベラルーシの村の放射線のモニタリングをしました。
当初は、食品の測定、きのこやベリー類の測定の機器がなく、ホールボディカウンターもありませんでした。情報もなく、村人の疑問すら答えられません。
線量計が不足していました。また、国の数値の公表は信じられませんでした。
この研究所が設立したのは事故から4年後です。それは設備費、人材が足りない他、官僚主義との戦いがあったからでした。
研究所が次にしたことは、線量計を作り、線量計を使える人を育成することでした。
そして、汚染地区に各センターを作り、村人達はそこに食べ物を持って行き、線量を測り、その結果を公表し、人々の疑問に答える働きをしました。
その結果は、研究所に集められました。
(現在は村のセンターは皆無。
それは、食品汚染が日々証されて、政府が困り、閉鎖に追い込んだのです。)
次に研究所がおこなったのは、人体測定。
ホールボディーカウンターを置き、人々の内部被曝の放射線を計りました。
この機械は、椅子に腰掛け、背もたれで線量を計ります。
この機械は体には無害なので、妊婦も大丈夫です。
日本にはもっとこの機械が必要です。
子供の内部にたまったセシウムをきちんと調べてください。
ベラルーシの汚染地域の95パーセントにセシウムがみつかり、量は20ベクレルでした。
研究所と村人にとって敵は、国の保健省です。
保健省は、400ベクレルまでは大丈夫と言っています。
上下30ベクレルの差があり、年齢の差です。
ベラルーシも1年に1ミリシーベルトと限界値は決まっています。
次に研究所は、セシウムを排出させるサプリを開発しました。
ウクライナのペクチンをベラルーシに輸入しようとしましたが、税金など高く、結果、
自国で、ドイツとの協力でアップルペクチンを開発しました。
ペクチンを飲み、3~4週間後にまた測定します。
再測定は、子供達への効果を見るためではなく、子供と両親に効果を実感してほしかったからです。効くのはわかっていましたから。
そして、放射性物質を排出するための食事法を教えたり、汚染地区でのライフスタイルを知らせました。
家庭菜園の土の除洗、料理の下ごしらえ方、ペチカに使う薪の灰を肥料にまかないこと、牛乳を分離器にかけて飲むこと。
こうした教育は、サプリを飲むこと以上に大切です。
更に研究所は、教育プログラムを作り、書籍を出版、対策マニュアルのパンフを出版、教育のDVDをつくり、カレンダーには調理法やレシピを載せました。
これをセットにして学校などに配布。
渡すだけでなく、ゼミも開き、ここで学んだ人が、地域の他の人々に情報を伝える手助けになりました。
そのほか、研究所がしたのは、放射線実習センターをつくり、ネットワーク化しました。
このセンターは、国の支援はありません。
他国からの支援で成り立っています。
センターはクラブ活動のようになっていて、多くは学校で行われています。メンバーは学校の子供達。先生達が顧問です。
子供達は線量計を扱い、実際に計っています。
例1
森のきのこを採取し、センターで測り、どこが放射能が高いか低いか汚染マップを作ります。
例2
牧草地で乳牛の食べる牧草を採取して測り、それによって牛乳の汚染状況を調べています。
例3
キノコの種類によって放射能汚染の違いを調べます。また、キノコの軸とかさでの違いも調べています。
例4
学校の生徒がもし体内被曝が認められたら、生徒たちはその原因を調べ、食べた農作物の植わっていた土を調べ、被曝の原因を探ります。
これらは学校の生徒達がしていることです。
各センターは、地域にも開放します。
自分の家の食品を持って来て、調べます。
その結果をセンターの人に説明してもらいます。
また、ベラルーシの他の地区では「若い家族クラブ」ができています。
これは、家族会で、幼い子を持つ夫婦や、これから結婚したい人たち、子供をほしい人達で構成されています。
その一つはNGOに登録できました。登録されると国に対して医療検査を求められます。
ベラルーシは法が厳しく、なかなか登録させません。こうした団体が多くなると困るためです。
日本でも是非こうした取り組みをしてほしいです。
その他、食品測定や巡回測定もしています。
小型バスに機械をつみ、巡回します。
ベラルーシ人は、活発でない民族で、明日に先延ばししやすい性格の人が多く、巡回は効果があります。
巡回した後は、学校などで保護者会を持ち、結果を公表し、アドバイスします。
質疑応答から
(質問)
ストロンチウムが骨に蓄積し、将来白血病になると言われるが、ベラルーシではそのデータはあるか。また、ストロンチウムを排泄するものはあるか。
(解答)白血病はストロンチウムだけでなく、ラジウムやプルトニウム、セシウムでもおきる。
骨から排出するのは困難だが、体に取り込まないようにすべきだ。
にわとりの卵を固ゆでし、その殻を粉末にして、カルシウムとして1日2グラム摂りなさい。
卵の殻はカルシウムが豊富なので、サプリの代わりになる。
要はカルシウム不足にさせないことです。
カルシウムも体外に排出するため、不足してしまう。
カルシウムを摂る時、同時にリンも摂ると良い。
グリンピース、キャベツ類、紫の海藻などを摂り、サプリを併用してほしい。
(質問)WHOの暫定基準値は10ベクレル、日本の基準値は500ベクレル。
これをどう見るか。
(回答)基準値を決める時、経済性をとるか、健康をとるかによる。
健康を考えたら、私は0ベクレルという。
(質問)最近は東京でも鼻血が出ている子が増えている。これは一時的なことなのか、内部被曝なのか。また、0~6才ころまでに必ずするべきことがあれば教えてほしい。
(回答)ベラルーシでは、体内被曝35~70ベクレルが検出された子供達に、高血圧が認められ、70~135ベクレルの子達には心臓に以上が見られた。
子供達は保養所にいたが、運動やマッサージ、ペクチンを与えられていた。食事は汚染されていない物を与えられた。21日のプログラムで、21日後に再検査すると、多くが血圧も良くなり、異常が残った子もサプリを飲み続け、異常がなおった。
鼻血も放射能の影響かもしれないので、体外にセシウムを排出させてください。
菊芋は、汚染地区でも全く放射能の蓄積はない。葉にも根にもなかった。ビタミンやペクチンも多く、安全なので子供達にはあたえている。また、果肉入りジュースはペクチンが多いので飲ませてほしい。
豆類も良い。体内の放射能を吸着させて排出する。
ただし、豆は土からの放射能も吸着させやすいので、良く調べることと、外国製品を使う事。
以上です。
日本が、この研究所のしてきたことの少しでも参考にするなら、少しはいい結果が出そうな気がするし、民間でこのくらいのことができたら、政府に期待しなくても、もっと早くに対応できる気がします。
ベラルーシはいわば被曝対策の先輩ですから、日本では何をそこから学ぶか考え行けるといいと思いました。
ここあでした。