ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産科復興に向けた長野県各地域の取り組み

2009年02月01日 | 地域周産期医療

・ 佐久市立国保浅間総合病院の産婦人科は、新年度から常勤医が2人増えて5人体制となり、産科業務を拡大していく予定とのことです。

・ 伊那中央病院の産婦人科は常勤医7人体制となり、施設を改修して年間分娩件数を千二百件程度と想定しているそうです。

・ 飯田市立病院の産婦人科は常勤医5人体制ですが、病診連携や助産師外来、メディカルクラークなどの充実により、年間分娩件数:千件程度を維持しています。

・ 医師不足により産科業務を休止していた県立須坂病院の産婦人科は、新年度から常勤医4人体制となり、産科を再開する予定とのことです。

これらの病院は、産科業務の存続すら非常に危ぶまれていた時期もありましたが、それぞれ存亡の危機をギリギリ何とか乗り越え、新たな道を模索し始めています。危機打開のためには、他地域で成功したモデルが必ずしも有効とは限りません。各地域の今の状況にあった医療行政を進めていく必要があります。

****** 医療タイムス、長野、2009年1月28日

前年比159件増の1151件 伊那中央の08年分娩件数

 上伊那地域で分娩を扱う唯一の公立病院となっている伊那中央病院(小川秋實院長)が2008年に受け入れた分娩の件数は、前年比159件増の1151件だった。同地域では、昭和伊南総合病院が08年3月末で分娩の取り扱いを休止。このため、伊那中央病院は08年度から年間1200件の分娩を想定し、産婦人科外来診療棟を新設するなどして対応している。

(中略)

飯田市立は前年並みの988件

 一方、里帰り出産の受け入れを一部制限している飯田市立病院(千賀修院長)は前年比2件減の988件と、前年並みの水準を確保した。同院の産婦人科は常勤4人、非常勤1人の4.5人体制。昨年は一時3人体制となっていたが、信大からの医師派遣などで現在の体制となった。

(以下略)

(医療タイムス、長野、2009年1月28日)