幸せになるために
その人生を選んだはずだった
人を盗み親を盗み
ありとあらゆる宝を盗み
極上の人生を作ったはずだった
それなのに今のおまえは
瞳が空しさに濡れている
わかったからだ
嘘で作った人生など
空っぽだということが
ずるをしこんで
自分の都合のいいように作った人生に
愛はない
おまえは誰も愛せない
愛していない
親も兄弟も
すべては嘘だからだ
本当の人生では
おまえはもっと貧乏な家に生まれ
苦労するはずだった
だが苦しさの中にも
瞳を照らし合うような
美しい愛に恵まれるはずだった
おまえはそれを
全部断ったのだ
愚か者よ
今更大事なことがわかっても
もう間に合わぬ
おまえは人生を愚弄したものとして
この世を出ていかねばならぬ
それがどうしてもいやだというのなら
嘘で作った今の暮らしをすべて捨てて
本当の自分の人生に帰りなさい
苦しめた人たちすべてに謝り
どん底からすべてをやり直していくのだ