去っていった神を
追いかけもせず
嘘の卵の中で
馬鹿な夢を見続けている
馬鹿者よ
逃げることはできない自分を
背中のできもののように痛がり
永遠に切り離してしまいたいと
嘘を抱きしめて生きている
馬鹿者よ
もうやめよと
幾千幾万の風の声が
おまえの耳を濡らす
それなのにおまえは
答えようともしない
閉じた卵の中で
永遠に夢を見ていたいのだ
本当の自分から逃げ切り
美しい他人になる夢を
見ていたいのだ
あほうよ
愚か者よ
おまえを呼び戻す愛の声が
だんだん遠ざかる
だんだん小さくなる
これはもう終わりだと
冷たい溜息をかけて
みんながおまえを
見捨てていく