これは古い。20代中ごろに描いた絵です。当時発行していた個人誌「ここり」の、中扉用のイラスト。画材は6Bくらいの鉛筆と消しゴム、綿棒くらいじゃなかったかな。
十代の頃の苦しさ、暗さをまだ引きずっています。大きな頭に大きすぎる瞳、何かを問いたげに真っ直ぐにこちらを見ている。唇はないかのように小さく、硬く閉じている。何も言えない。ただ、瞳だけがこちらを見ている。大きな頭の中には、たくさんの思いが泳いでいる。
かわいいお人形のような絵だけど、少々当時を思い出して、つらいな。
若い頃のことは、もうほとんど黒いものに塗りつぶされているかのように、あまりはっきりと思い出せない。ただ、苦しかったことは覚えている。だけど、ほとんどのことはもう、思い出さなくていいと、どこかで自分に区切りをつけてしまった。
この絵は、その自分で作ったスクリーンの向こうから、私に問いかけてくる、幼いころの私の幻影なのだ。
でもなんとなく、見ていると、同じ絵を今描いてみたくなるな。同じ手法で、この少女をもう一度描いてみたくなる。今描くと、少女はどんな顔をしているだろう。
いつか、あたらしく描き直した彼女を、ここで紹介するかもしれません。
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