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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

人生に、いつか辿り着く理想の島なんてないんだというお話。

2022-11-17 20:52:32 | 私の読書日記
先日、図書館に寄ったら、10月の月間おすすめ図書が、マインドフルネス的なテーマで、マインドフルネスという言葉にともかく弱い私。もうすっかり読み飽きたはずのドミニック ローホーの本を懲りずに借り、もう1冊、リフォーム会社を経営するリブコンテンツという会社の代表、田原由紀子さんが書いた「愛せるキッチン 愛する暮らし 50代からの私らしい住まいと暮らし方」という本を借りてみたのです。

その、軽くパラっとするだけくらいの気持ちで手に取った田原さんの本が今回結構目から鱗で、その文章を思わずノートに書き留めたのです。

それは、田原さんが必死で仕事に家庭にと頑張っていた時期、その当時おそらく50代くらいの人生にもお金にも余裕のありそうな田原さんの顧客のマダム達が田原さんに言い放った言葉。

当時、田原さんの目にはそのマダム達がもうすっかり満たされて毎日が南の島で寛いで過ごせるような人生を送っているように見えたという。でも、そのマダム達に言わせると、田原さんが想像しているようなそんな理想の島なんて人生に存在しないという。人間幾つになっても、そんな理想の島に辿り着けることを目指して舟を漕ぎ続けるだけなのだという。実際、そのだいぶ余裕のありそうなマダム達も、未だに必死に漕ぎ続けているというのだ。

40代も半ばに近づきつつある私、ままならない思春期息子にヒーヒーしている日々で、50代は何だか、いろいろ終わって、余裕も生まれて、案外いいものなんじゃないかな、と私も多分その頃の田原さんと同じような気持ちでいたのだけど、そんな島なんて存在しないんだよ、と言われてみて、そうだったのかあ、、と妙に納得してしまった。そして、実際田原さんもそんな50代を迎えてみて、改めて島なんてないんだということに気付いたという。田原さんが言うには、だからこそ、自分の乗っている舟をなるべくなら、心地よくメンテナンスして、これから先も気持ちよく漕ぎ続けていこうじゃないか、と。死ぬまでずっとえっちらおっちら小舟を漕ぎ続ける人生。理想の島にたどり着くことを夢見て。



かいつまんで言ったら、そう言うことが書いてあって、意外なほど、為になる本だった。なので、おすすめです。ほんとに。



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