4CATS

この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

ロメール映画好きなら絶対好き『ラヴ・アフェアズ』

2024-07-15 14:31:15 | 映画あれこれ
今年が半分過ぎてみて、今年はろくな映画を見ていないことに驚愕。
アマゾンプライムでしか見てないから、ろくな映画を配信してくれてないんだ、(でも安いから仕方なし)と思っていた矢先、特に期待することもなく、この映画と出会った。それは、とんでもなく愛について教えてくれる映画だった(私にとって)

物語は、バカンス先の従兄弟夫婦を訪ねてやって来た30代前後の男と、その男を出迎えた妊娠3ヶ月の妻が、最近失恋したばかりという男の話を聞くところから始まる。(男の従兄弟は急遽仕事が入り、何日か職場に戻らなくてはならなくなって不在)そこで語られる恋模様と、妊娠中の妻が語り始める自身の出会いについて、過去を振り返るところから段々それが現在と絡んでいく。

映画の作り自体もとてもうまい。
あくまで軽いラブコメディのつもりで見ていたのに、いつの間にかその枠をスイっと粋に超えてきて、気づけば極上のラブストーリーに仕上がっている。最後まで結末がどうなるんだかわからない。シンプルなのに、とんでもなく絶妙なこんな大人の恋愛映画作れる監督って一体どんな人??調べたけど、あまり情報がなかった。エリック ムレ監督というらしい。他の作品もぜひ見てみたい。


純潔な若い人が見れば、なんでこんなに相手がいるのに、平気で恋したり、愛したりしてるんだよ、と不快に思う人もいるかもしれない。

私はというと、長い間、一生のうち真実の愛、運命の人は絶対に一つで一人なんだと思い込んでいた。だからこそ、作家檀一雄についてもあーだこーだと書いたのだが、
でもこの映画を見て気づいた。運命の人は、必ずしも一人とは限らないのだ。

いろんな愛があって、それはそれでいいのだと、こんな崇高な奥さんでいたいと思った。人生はやっぱり面白いものである。



『ラヴ・アフェアズ』予告|Love Affair(s) - Trailer|第33回東京国際映画祭 33rd Tokyo International Film Festival

ところで、途中映画の台詞でこんな言葉が出てくる。

『模倣理論的に、人は相手が望むものを望む、人が何かを望むのは本人の望みじゃなく、他人が望んでいるからなの』

思わずハッとして、ノートに書き留めた。

アマゾンプライムでの無料配信はあと5日で終了です。

本好き女子ならぜひ見て欲しい、映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

2023-07-11 09:32:41 | 映画あれこれ
アマゾンプライム内を見たい映画を求めてフラフラした挙句に、直感でこれいいかも!?と思った作品が当たりだと本当に嬉しい。
これもまさしく大当たり。かつて作家になりたいと本気で思うくらいに本好きの自分にぴったりの映画だった。

舞台は1995年のNY。作家志望の女の子がNYに魅了され住み始める。職を見つけた先が「ライ麦畑でつかまえて」のJ D サリンジャーを抱えるブックエージェントだった。そこにはサリンジャーの本を敬愛してやまないファンからの手紙が多く寄せられ、でもそれは作者本人の意思によって、読まないで破棄されている。主人公ジョアンナがついた仕事が、そのファンレターを代読した後に、定型文の返事をタイプして返送する、というもの。ジョアンナはファンからのその切実な手紙を読んでいるうち、ついそれに返事を返したくなってしまい・・

最後に知るんだけど、これ実話😮 原作は映画の主人公、ジョアンナ  ラコフが著した「サリンジャーと過ごした日々」なのだ。

本作、作家志望の女の子が泣く子も黙らせるような女性ボスのアシスタントに入り、っていう時点で、まさに「プラダを着た悪魔」と同じすぎるくらい同じ。(プラダも実話)
あの時代、素敵(怖すぎだけど)な鬼女性編集者が複数いたってことですね。
プラダではボス役がメリル・ストリープだったけど、今回はシガニー ウィバー(そう、あの「エイリアン」で最強女子を演じたあのシガニーです!!)
もう、メリルに対抗できるのは彼女しかいないかもね、ってその辺も笑っちゃうんだけど、このシガニーもまたメリルに負けず劣らず、素敵なボスなんです。
相似点はまだまだあって、主人公同士、顔もそっくりで、途中から割って入ってきた夫は私がてっきり「プラダ」を見てると勘違いしたくらいジョアンナはアン ハサウェイそっくり。
でもなんとこの女優さん、あのアンディ マクダウェル(「フォーウェディング」ヒュー 様ことヒューグラントと共演)の娘なんだって!!!そう言われてみるとロマンチックな感じでそっくり!!!

そんなプラダのパクリかというくらい設定が似ている作品だけど、中身がしっかりしているから、(実話だし、サリンジャーだしね)とてもとても面白かった。

主人公と一緒で、実は私も「ライ麦畑でつかまえて」をちゃんと読んだ記憶がなくて、本作の中でファンが手紙に書く内容のことがわからない。サリンジャー、なんで読んでないんだろう・・

とても爽々しい夢に向かってひた走る女の子の映画でした。
(元彼も素敵。あんなふうに思ってくれる元彼なら・・)

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』予告編(90秒)

映画『ミナリ』

2023-07-03 20:35:23 | 映画あれこれ
映画「ミナリ」韓国の女優がアカデミー助演女優賞を獲った時から気になっていたけど、実に実によかった。是枝監督の映画と似ているなあと思った。ブラピがプロデューサーというのにも驚いた。いい映画をプロデュースしてるなあと思った。

1980年台のアメリカに移民した韓国人家族の話である。
切実だけど、ユーモアもあり、家族全員とてもいいんだけど、おばあちゃんがやはりとてもいい。どことなく自分の母と重なる人もいるんじゃないかなあ。
マウンテンデューを山の雫と呼んで(なるほど和訳するとそんな意味なのか)愛飲したり、何より、ミナリを見つけた時の歌が微笑ましすぎる。。。
何が起こるんだとハラハラしたけど、すごく納得のいく終わり方だった。きっとああいうことがないとその結末には行かないに違いない。

こういう映画が本当に大好き。見てよかった😂 


映画『ミナリ』予告編


ザリガニの鳴くところ、

2023-06-25 08:50:49 | 映画あれこれ
映画「ザリガニの鳴くところ」を観た。最初は半信半疑で見ていたら、最後にえっ・・となって、先に見ていた夫と、その見解を話し合って、それでもまだ気になって、原作がベストセラー小説だというので、読んでみようかな、と。
結構、深い話でした。面白かった。
原作を元に、よく見事に映像化しているし、伏線も張られていて、この監督の他の作品も要チェックだなと思った。

今週は、住民税、固定資産税を払ったと思ったら、令和3年に初めてやったふるさと納税が今年の医療費控除で確定申告したがために、ワンストップ特例が外れて、追徴金発生との通知書がきて、慌てて区役所に電話で確認したら、レストランで、サービス券の二枚使いが同時にできないのと同じようなことだと言われ、年度違うのにダメなんだって・・・私には東京以外に故郷はないし、もう2度とふるさと納税はしないと思った。
他にも、住宅控除受けてる人もダメらしい。2年前、ふるさと納税した時には、確定申告する予定なんてなかったし、そう言われてみれば、そんな注意書きがあったような気がし出したが、正直もう覚えてなかったよ・・
というわけで、区役所の人が言うには、ものすごくよくある問い合せらしく、ちょうどその日に会った友人に話したら、その人も同じ目に遭っていて、もうふるさと納税なんてしない、と同じことを言っていた。
昨今のインフレといい、税金といい、なんだか最近、年貢を納めるのにヒイヒイ言ってる農民みたいな気持ちで暮らしている。



「ある過去の行方」

2023-05-04 08:17:39 | 映画あれこれ
後半戦GW初日は家族中が休みで家にいて、しかも絶好の天気だったのにも関わらず、どこにも一歩も行かなかった。本当は、こんな天気の日は1日中太陽の下で過ごしたい私だが、どこに行くか意見も合わず、皆出かけたくないみたいだったので、結果家で贅沢に過ごした。コロナ前の最後のGWは娘が10日間ずっとロタウィルスに苦しみ、救急外来で点滴してもらうこと2回、の散々なGWだったので、健康で過ごせることが何より幸せなことなのだ。


それで、夜は映画を見た。
イランの監督の映画で、アカデミー外国語映画賞に2度も輝いている、アスガル ファルハーディ。

映画『ある過去の行方』予告編

これがもう、面白いのなんのって、子供たちも演技がうますぎる。是枝監督の映画に出てくる子供たちみたい。物語は決して大袈裟にならず静かに進行していき、食い入るように見入ってしまう、大体いい映画ってこんな感じ。
どうしたら、こんないい映画が絶妙なバランスで撮れるんだろうと深く感心した。
ラストは、これまた是枝監督の映画みたいな後味がした。
ただただ凄い。こんな映画に出会えて感謝だし大満足。


怖い映画2本紹介。

2023-04-30 09:50:20 | 映画あれこれ
ホラー映画を2本見た。

1本は、「事件物件 呪縛の連鎖」
殺伐としたNY暮らしに辟易した親子の元に、離婚した夫(父親)が子供を預かりに来る。夫は、最近購入した湖畔の家に息子を誘うが・・。
息子は思春期に入りかけの12歳くらいだろうか、ホラー映画って、やたら暗くするのが定番だけど、この映画は暗くない。明るいのに、チラッと。さりげなくチラッと。
それで思わず叫んじゃうシーンもあるし、とんでもなくぞーっとするシーンもあり〜の、クスッとしてしまう場面もあって、1時間ちょっとの映画なんだけど、期待以上に面白かった。

2本目は「ズーム 見えない参加者」コロナ禍で、ズーム飲み会をする女子たち(舞台はイギリスかな)が交霊会のようなことをしようとして・・・
ズームって、そういう目線で捉えると、フリーズしたり、後ろに何か映ってそうだったり、繋がってるようで、結局、一人で映像に向かって部屋で喋ってる孤独感とか、考えてみるとなかなか怖い素材に溢れてる。
いいところに目をつけて作ったなあと思う。こちらも1時間ちょっとの短い作品だけど、なかなかどうして、面白かった。

ロメール尽くし

2023-04-09 09:46:05 | 映画あれこれ
木金とお休みをもらって4連休。本当は息子の中学での入学式のお手伝い係だったので、休みを取ったんだけど、直前で来賓が少ないからお手伝いは要らないことになって、では何しよう??と思っていたら、嵐のような天気で、結局2日間とも家にいました。出不精を解消しようと密かに奮闘中ではあったけど、本当に家にいることが好きなんだから、これが一番のリラックスなのだから、やっぱり無理矢理外には出ないでいいや。

それにしても、連日すごい風で、桜がほぼ散った後だからいいけど、本当に花散らしの天気でした。

私は家でエリック ロメール映画を4本も見た。
”レネットとミラベル 4つの冒険”
”友達の恋人”
”美しき結婚”
”パイロットの妻”

この監督は、ただひたすら主人公たちの繰り広げる会話だけで映画を成り立たせるという独特な映画を作る人で、ストーリーも些細なよくありがちなことばかりで、まあ特別凄いことなんて決して起こらないんだけど、面白くて、これだけ連続して見ても、全く飽きない。飽きさせないのは、やっぱり凄いなあと改めて尊敬。

何より、主人公たちの駆け引きのあるようなないような会話、身勝手な女、男に振り回されたり、気付かされたり、不思議な偶然があったり、第3者だから見えてくることがある、男と女の事を勉強したいなら、ロメール映画を見よう。

【ザ・シネマメンバーズ】エリック・ロメール作品を配信

ミモザに、アカデミー賞に、スティーブンキングに、今回もとりとめのない話でゴメンなさい。

2023-03-18 09:29:38 | 映画あれこれ
天気が崩れてくるといよいよ春なんだな、4月って何気に雨が多いよね、花散らしの雨。冬は、寒いけど、来る日も来る日も気持ちいいくらい晴天。

楽しみにしていたミモザが今年花を咲かせた。母から譲り受けた時はもやしっ子みたいな30センチも満たないミモザだったのに、1年経った今は私の背を追い越した。
ヒヨコみたいなフワフワの花だ。イタリア?では女性の日にミモザを贈るとかっていうのが、だんだん日本でも流行ってきて、ミモザの名を昔より全然よく耳にする。昔の画家で三岸節子って人がよくミモザを描いてたけど、あれくらい盛り盛りにうちのミモザも花を咲かせてくれたらな。娘の名前も、ミモザにしようか、真剣に迷ったけど、ミモザちゃん、やっぱり可愛かったかも。響きが好き。

今週もWBC一色で、まあ、あれだけのスター揃いなんだから当然。
ドームに行けた人は本当に恵まれてるね。サッカー観戦は息つく暇ない感じだけど、野球観戦、私もしたくなったよ、ビールをたくさん飲みたい。
村上春樹を読んでから、ずっと神宮で野球を見たいのに、未だ実現してない。
どれだけ行動力がないんだか・・。

今週はアカデミー賞もあって、心震わせてくれたのが、我らがインディージョーンズ魔球の伝説のあの男の子が50歳になって、助演男優賞を獲得したこと。
売れっ子子役だった彼が、食べるにも困る30年余りを過ごした後の助演男優賞。まさにアメリカンドリーム。私的には、インディージョーンズもグーニーズも、子供たちと何回も見てるから、私の中であの子はずっと可愛いままだったよ。
作品賞も受賞したエブリウェア・・アットワンス、にRRRも近々見に行きたいなあ♡
本年度アカデミー賞受賞 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 『This Is A Life』MusicClip
アカデミー賞の作品賞受賞作は、さすが本当に素晴らしいものばっかりで、最近見た「グリーンブック」も素晴らしい作品だった。文句のつけようがなかったよ。

それから、スティーブン キング原作のシャラマン監督の「ヴィジット」最強怖かった!!!!期待以上のゾッとする話で、ラストまでめちゃくちゃイケてた。
ぜひ。
映画『ヴィジット』予告編

映画『インディー・ジョーンズ/魔宮の伝説』 予告編

男はつらいよに島尾ミホが出てるのは嘘か誠か?!

2022-11-17 20:14:03 | 映画あれこれ
「男はつらいよ 紅の花」を見た。48作目。事実上、これが渥美清の遺作となったそうで、そんな最終話の舞台はなんとあの加計呂麻島というからびっくりした。

加計呂麻島とは、奄美群島の一つで、あの梯久美子の書いた「狂うひと」を読んだ人ならお馴染み、狂うひと、こと島尾ミホの出身地なのだ。

最初何の気なしに見ていて、満男が失恋の末にたどり着いた南の島に、あのリリーが移住していて、更には寅さんまで偶然お邪魔しているというシーンの、海辺で民謡みたいなのを歌っている中に意味ありげに2度ほど映ったおばさんは、島尾ミホによく似ているなあと思って、まさかね、、と思って調べたら、本当に加計呂麻島が舞台だった。
でも、あの島尾ミホが本当に出演しているかどうかは調べた限り、どこにも出てないから、ただの勘違いか、でも勘違いにしたら、いわくあり過ぎる感じがしてしょうがない。

渥美清はこの撮影時、もう相当に病気でしんどかったはずなのに、よりによってこんな南の遠いところまで行かされて、監督も体調のことは知ってたはずなのに、大概にしてやれよ、と思ってしまった。

男はつらいよ、はそんなわけで段々寅さんの出演場面が少なくなっていったのが、何だか余計に悲しいなあ。どうしても50作作りたかったのかな?数じゃないと思いますが、、

秋分の日、しずかな夜、映画「黄昏」に黄昏る。

2022-09-23 22:46:15 | 映画あれこれ
1951年の映画「黄昏」を見る。
主演はローレンス オリビエとジェニファー ジョーンズ。
今から70年以上前の古いモノクロ映画だし、期待しないで見たのに、やっぱり名作はすごかった。ストーリーがしっかりしていて、最後まで没頭して見てしまった。

ありきたりといえば、ありきたりな話なのに、最後はどこに着地するのか、素晴らしい見応えのある終わり方だった。この映画を見れて、今日という秋分の日が満たされた。


柿崎こうこさんの「50歳からの私らしい暮らし方」を読んだ。
まだ50歳には間があるけど、とても勉強になって、自分でも取り入れたいことばかり。素敵な暮らし方だなあと何度も読み返したい1冊だ。

逆に、前作から自分の中で勝手にリベンジの江國香織の小説「ひとりでカラカサさしてゆく」は、やっぱりなんだかなあ・・それなりだったけど、かつてのきらきらひかる感はなくなってしまったと思う。