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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

「ザリガニの鳴くところ」はぜひ本で読んで

2023-10-22 09:44:12 | 私の読書日記
先月終わりにやった健康診断で引っかかった。
健診後数日して電話がかかってきて、マンモグラフィーで再検査が必要だという。
紹介状を出すから、検査するようにと。多分それが一番動揺した瞬間で、その後紹介状の予約をとり、今度は再検査の予約もし、一昨日超音波をし、無事事なきを得た。心の底からほっとする。もうそういう年齢なのだなあと思う。
先生が仰るに、生理の前はなるべくマンモグラフィーはしない方がいいらしい。
でもこの1ヶ月で、気持ちの切り替えというやつが少し上達したような気がする。
それは、心配事があっても、今この瞬間を楽しんでいようという気持ちだ。
おかげで、自分でもびっくりするくらい心配事をあっけらかんと忘れることができた。でも家族がいて、仕事もしていれば、慌ただしい日常に紛れてしまうのかもしれないが、自分の中ではこれまでになく良い気持ちの切り替えができたように思う。
それと最近、モヤッとすることがあっても、スイッチのオンオフが出来るようになった。以前はわかってはいても、なかなかどうして、な部分があったと思うのに、最近急にパチンとそれが押せるようになったと思うのだ。
最近携帯をアップデートしていてつくづく思うのだが、人間も幾つになってもこんな風にちょっとずつアップデートしていくことって大事だなあって。クローゼットの中もそう、季節ごとに小まめに整理、更新、断捨離していくことが大事だ。
クローゼットの乱れは心の乱れ。

さて、映画「ザリガニの鳴くところ」も面白かったが、原作小説はもっと面白いことを声を大にして言いたい。この小説、作者は勝手に30代半ばくらいの女性を想像していたら、なんと69歳の女性が書いた初の小説なのだというから驚き!!しかし、とてもすごい人で、ノンフィクション界ではカラハリ砂漠で過ごした経験を記した著書が世界的ベストセラーを記録、優れたネイチャーライティングに贈られるジョン・バロウズ賞も受賞し、研究論文があの「ネイチャー」(10年前?くらいの小保方さんでお馴染み)他多くの学術誌に論文が掲載されるというすっごい人なのだ。
にして、こんな湿地の話が描けたんだなあとおおいに納得する。だからね、湿地で暮らす少女の描写が、付け焼き刃で描かれたものではないホンマもので、そこに読み応えがあり、さらにミステリーの要素がずっしりと加って、さすが人生経験豊富な著者の厚みを感じる。加えて、ヒロインはディズニー映画のヒロインのように瑞々しく、女の子なら誰もが思い描く王子のようなヒーロー、そこに、美女と野獣のガストンのようなアンチヒーローまで加って。根底には人種差別、消えることのない人間のさまざまな差別が、訴えかけられている。

「三千円の使い方」これも本屋さんで見て、面白そうと図書館で1年近く待って順番が来て読んでいる途中。「人は3千円の使い方で人生が決まるのよ」という祖母の言葉で始まる世代別のお金の使い方についての話。このおばあちゃんの一言が私の心に響いて、賢く大事にお金を使う人間になろうと改心いたしました。

今日もいい天気でお出かけ日和。
こんな穏やかな日が来るなんて、あの猛暑には想像できなかったね・・
なんだかんだ言うけれど、日本に暮らしていることはものすごく平和で幸せなことなんだと思う今日この頃です。

散歩と、温泉まんじゅうちゃん

2023-10-15 10:29:43 | 日々是好日
朝から雨がザンザン降っている。日曜の朝なのに残念だ。
昨日運動会も多かっただろうから、ホッとしている人も多いだろう。

夏があまりに暑く長かったから、最少湿度で過ごしやすいこんな時期は、なるだけ外で過ごしたい。それがどんな些細な場所でも気持ちがいい。

早朝から4種類のコロッケを5時間かけて作って疲れ果てていた夫を誘って、散歩に出た。本当は柴又にでも行きたかったけど、午後になっていたのでもう遅いと言われて、やむなく目的なく歩ける範囲まで。

目的がないので、恥ずかしながらジャンケンしながら進んだ。
夫が勝てばまっすぐで、私が勝てば左右どちらか。

それで結局御殿山の方へ行った。車で通ったことはあったけど、マリオットホテルの前に御殿山庭園というものがあり、滝がごおごおいっていて、その前には線路があって新幹線の他に5本くらい在来線が通るんだけど、その物凄い騒音を滝が消してくれる。春は桜の名所で、秋は紅葉の名所になる。残念ながら小川が枯れているところもあったけど、都会の喧騒を忘れさせてくれる素敵な公園だった。
そして、ちょっとしたB級グルメならぬ景色を楽しみたい人は、その側になぜかバナナの木にうんと囲まれたマンションがあって、ワッサー、ワッサーと南国感丸出しでバナナの木。バナナの花なんてお化けみたいに奇妙で、よく見ると青いバナナがこの先誰にも収穫されることもないだろうが、ドッサリとついている。

マリオットホテルを抜け、知らない道を行くと、もうその辺からは何だこりゃの豪邸だらけ、住所は高輪になって、我々みたいな散歩人じゃない本物の住民は誰だ?探しなどしながら、すっかりラビリンス。やがて教会が見えて、何だろう、ここは?と出た道は旧高輪プリンスホテルの前だった。
疲れたので、そこからまた違う道を通って家路へ。
この時期の散歩は楽しい。無数の道があって、発見があって、最少湿度最高!!!!

ところで写真は娘が修学旅行の日光へ行って買ってきた温泉まんじゅうちゃんです。顔の部分を押すとあんこが飛び出すっていう優れもの。ぷにぷにで可愛い。




最近読んだ本〜2023年読書の秋に寄せて

2023-10-06 19:46:06 | 私の読書日記
最近読んだ本諸々を一挙紹介。

「中央駅」キム・へジン著
ホームレスになって中央駅で暮らす男とそこで出会った年上の女、駅にも、主人公たちにも敢えて名前はない。世界中どことも置き換えられる共有感、このどこから読んでも哀しい話を見事なくらい上手に描いた作者の力量のなんと凄いことか。訳者も素晴らしい。

「君という生活」キム へジン著
短編集。いろんな君との生活が語られる。どの話も面白い。

すっかりキム へジンにはまっていく。
昨年から、韓国人作家の小説が私の中で熱い。面白いのが来てるんだけど、どれもこれも本当に素晴らしい。本好きならぜひ読んでほしい。

「説教師」カミラ レックバリ
スウェーデン発のミステリー。シリーズもの、「氷姫」に続く第2弾。
主人公たちのことと、事件と両方楽しめる。さらには、あまり知らないスウェーデンの暮らしについても垣間見れる。北欧の国は福祉国家で揺り籠から墓場までなんて言われて幸福度の高い理想の国のような印象があったけど、この小説を読んでいると、そうでもないんじゃないかなという実態が見えてくる。
やっぱり、どんな国にも不満はあるものなのだね。

「パールストリートのクレイジー女たち」トレヴェニアン
以前にもちらっと紹介したかな?
1930年代NY州オールバニーでの日々を、覆面作家として知られるトレヴェニアンが自身の子供時代を振り返って描いた作品。クレイジーな人々ばかりなんだけど、どこかもの悲しくて、秋の夜長にぴったりの作品。しみじみつくづく素晴らしい小説。出会えてよかった。

「さよなら、ながいくん」川上弘美
川上弘美の東京日記シリーズ、大好きなの。久々に読めて嬉しい。外で読んでると可笑しくてニマニマしてしまう。

秋の夜長も読書の秋も、夏が終わって秋からクリスマス、お正月までの季節が私一番好きなのかもしれない、と昨日スーパーの帰り、自転車乗りながら突然閃いた。