ポストに切手のない封筒が入っていました。
御近所で親しくしている方の名前が書いてありました。
封筒を開けると、「あーー、この香り・・・」
小さな小さな袋に入れられた香料。
その香料は、去年天国に逝ってしまったヒロさんが、我が家でおブラジル土産の袋を開いて、皆に渡したものの一つ。
食いしん坊の私は、白胡椒を選びました。
未だ使えず大事に冷蔵庫に保管しています。
そういうわけで、私が香料を頂いていないことを気にかけていた方が、お裾わけをしてくださったという次第です。
胡椒や香料をたくさん荷物に入れ、少しずつ袋に詰め、私たちにプレゼントしてくれた大切な宝物。
その小さな袋の一つ一つに、彼の愛情がこめられ、そして、しこしこと自室で袋に詰め込んでいる姿を想像し、愛らしいヒロさんを想像したものです。
その時は、二度と会えなくなるなんて想像もしていませんでした。
大きなブラジルの地図を出し、サンパウロから遥か遠くのアマゾン川河口近くの町を差し、相変わらずの冗談を飛ばし、久しぶりの再会である近所のおじさん、おばさんたちにお腹を抱えて笑わしてくれたあの時のヒロさんの香り。
甘く、芳しい香りが、蘇り、香料の袋を手にしながら、涙がぽたぽた落ちました。
生きていたら、絶対にこんなメランコリックなことは、彼には書きません。
たぶん、ボケと突っ込みの会話で、照れ隠ししていたことでしょう。
香りの記憶というのがこんな切ない気持にさせるのかと思うと、私自身驚いています。
まるでそこに居るかのように蘇る。五感の記憶は、瞬間でも至福を得ることが可能なようです。
そして、今日は阪神大震災から13年。
祈りを込めて。。
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御近所で親しくしている方の名前が書いてありました。
封筒を開けると、「あーー、この香り・・・」
小さな小さな袋に入れられた香料。
その香料は、去年天国に逝ってしまったヒロさんが、我が家でおブラジル土産の袋を開いて、皆に渡したものの一つ。
食いしん坊の私は、白胡椒を選びました。
未だ使えず大事に冷蔵庫に保管しています。
そういうわけで、私が香料を頂いていないことを気にかけていた方が、お裾わけをしてくださったという次第です。
胡椒や香料をたくさん荷物に入れ、少しずつ袋に詰め、私たちにプレゼントしてくれた大切な宝物。
その小さな袋の一つ一つに、彼の愛情がこめられ、そして、しこしこと自室で袋に詰め込んでいる姿を想像し、愛らしいヒロさんを想像したものです。
その時は、二度と会えなくなるなんて想像もしていませんでした。
大きなブラジルの地図を出し、サンパウロから遥か遠くのアマゾン川河口近くの町を差し、相変わらずの冗談を飛ばし、久しぶりの再会である近所のおじさん、おばさんたちにお腹を抱えて笑わしてくれたあの時のヒロさんの香り。
甘く、芳しい香りが、蘇り、香料の袋を手にしながら、涙がぽたぽた落ちました。
生きていたら、絶対にこんなメランコリックなことは、彼には書きません。
たぶん、ボケと突っ込みの会話で、照れ隠ししていたことでしょう。
香りの記憶というのがこんな切ない気持にさせるのかと思うと、私自身驚いています。
まるでそこに居るかのように蘇る。五感の記憶は、瞬間でも至福を得ることが可能なようです。
そして、今日は阪神大震災から13年。
祈りを込めて。。
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