現地時間の数時間前(11月30日・土曜日)、英国で行われた試合結果です。
WBOバンタム級王座統一戦:
暫定王者ジョンリエル カシメロ(比)TKO3回2分14秒 王者ゾラニ テテ(南ア)
*WBOバンタム級内での王座統一戦となったこの一戦。バンタム級では長身(175センチ)でサウスポーのテテが、最初の2ラウンドを若干リード。この階級では少々小柄(163センチ)のカシメロはやりづらそうでした。
3回に入り、試合は大きく動きます。この回早々から攻勢を強めたカシメロ。中盤戦に差し掛かるころ、右ボディー、右顔面2発の連打をテテに当て、あっという間にダウンを奪います。上も下も効いてしまったテテはお手上げ状態。もう一度ダウンを追加され、その後ストップ負けを喫してしまいましたが、すべては最初のダウンですべてが決まっていたといっていいでしょう。
試合前の1対3という掛け率をひっくり返し、暫定という2文字を返上したカシメロ。同時に4月に獲得した王座の2度目の防衛に成功しています。ちなみにカシメロは、これまでにWBO暫定ライトフライ級、IBFライトフライ級、IBFフライ級、そしてWBOバンタム級の3階級で世界王座を獲得してきています。フィリピン人として世界王座を3階級制覇以上達成した選手は、マニー パッキャオ、ノニト ドネア、ドニー ニエテス、そしてカシメロと早々たる選手の名前が並んでいます。
自身の怪我のために、4月に予定されていたドネアとの一戦を試合直前にキャンセルしていたテテ。それに続いての今回の王座転落、痛いですね。
では、2019年12月1日現在の『黄金のバンタム』の王者たちの顔ぶれを見てみましょう。
WBA:井上 尚弥(大橋/防衛回数3)
WBC:ノルディ ウーバーリ(仏/2)
IBF:井上 尚弥(大橋/1)
WBO:ジョン リエル カシメロ(比/2)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/1)
WBOアジア太平洋:ストロング小林 佑樹(六島/0)
日本:鈴木 悠介(三迫/0)
尚弥、ウーバーリ、カシメロと11月に試合を行ったばかりのため、この階級の次の山場は来年の春まで持ち越しになるでしょう。