DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBAジュニアライト級)

2022年11月20日 05時28分35秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1992年11月20日、東京体育館で行われた試合結果です。
WBAジュニアライト級戦(スーパーフェザー級):
王者ヘナロ エルナンデス(米/帝拳)TKO6回59秒 挑戦者渡辺 雄二
(斎田)

*まだ2度の防衛しか果たしていなかった当時のエルナンデスでしたが、すでに世界屈指のテクニシャンとしてその地位を築きつつありました。対する渡辺はデビュー以来、KO/TKOを10まで伸ばしていた強打者。「両者の技術差は明白だが、渡辺ならひょっとすると」という期待感が試合前にはありました。

しかし蓋を開けてみると、KO率100パーセントの渡辺が善戦できたのは最初の3分間のみ。2回以降は右拳を負傷していた稀代の技師エルナンデスのテクニックの前にお手上げ状態。技術はもちらん、左手一本の王者に打ち合いでも負けてしまいました。流石がヘナロと言ってしまえばそれだけなのですが、世界一級の技術と、日本の強打者の実力差がこれほどまでとは、ただただ王者のスキルに感服してしまいました。

(技術とパワーで渡辺を大きく上回ったヘナロ。)

この試合から数年の間、世界の一線級で活躍し続けたヘナロ。渡辺も一階級下のフェザー級に落としOPBF(東洋太平洋)王座を獲得し、世界再挑戦まで漕ぎつけています。2度目の世界挑戦も失敗に終わった渡辺でしたが、今度はライト級で同王座を獲得するなど2000年10月まで戦い続けました。渡辺の終身戦績は25勝(23KO)5敗(5KO負け)1引き分け。31度の実戦で、引き分けを含め判定決着となった試合が3つの身というのも凄いですね。

(試合後、泣く渡辺を気遣うヘナロ。リング外(内でも)では紳士的な方でした。)

また「ヘナロ対渡辺」戦から約1ヶ月後の12月15日、前年1991年10月に渡辺に日本王座を奪われた赤城 武幸(新日本木村)が、OPBF王座への挑戦失敗後、現役からの引退を表明しています。

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今週末の試合予定

2022年11月19日 05時49分38秒 | 世界ボクシング

2022年11月第三週末の主な試合予定です(2022年11月19日から11月25日まで)。

19日 土曜日
フランス
WBAクルーザー級戦:
王者アルセン グラムミリアン(アルメニア/仏)対 挑戦者アレクセイ エゴロフ(露)

メキシコ
ミドル級戦(10回戦):
ハイメ ムンギア(メキシコ)対 ゴンザロ コリア(亜)

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あの試合から30年(WBAジュニアフライ級)

2022年11月18日 05時20分40秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1992年11月18日、大阪府立体育会館(現エディオンアリーナ)で行われた試合結果です。
WBAジュニアフライ級戦(現ライトフライ級):
挑戦者/前王者柳 明佑(韓国)判定2対0(119-111、117-112、114-114)王者井岡 弘樹
(グリーンツダ)

*現WBOスーパーフライ級王者一翔の叔父である弘樹氏は、この試合の11ヵ月前に柳を破りジュニアフライ級の王座を獲得し世界2階級制覇を達成しました。柳は井岡(弘樹氏の事です)に敗れるまで同王座の17連続防衛に成功しており、その記録は現在でも同級の最多防衛記録として刻まれています。

井岡との初戦に敗れて以降実戦から遠のいていた柳。いい休養にはなったでしょうが、選手としては成長は期待出来ませんでした。逆に井岡はその間2度の防衛に成功し、着々と同級での王座の地位を築いていました。

井岡有利の予想が立てられていたこの再戦でしたが、柳の世界王座への返り咲き/井岡へのリベンジという執念が序盤戦から井岡を勝り判定勝利。約一年ぶりに世界のベルトを腰に巻くことに成功しました。

井岡がこの再戦に勝てなかった理由は、井岡の精神面の変化にもあったように思います。井岡は長い左ジャブと、華麗なフットワークを駆使するアウトボクサーでした。しかし井岡の頭には「もっと積極性を見せ、お客さんを喜ばせないと」、という意識が芽生え始めていたのではないでしょうか。そのため、柳の執拗なインファイトに付き合ってしまい、結局は僅差の判定負けで王座から転落。そしてその過度な打ち合いへの意識が、その後の4度に渡る3階級制覇失敗に繋がったと見ます。

華麗なアウトボクシングでも十分ファンを魅了し、テレビの視聴率も稼いでいた井岡。心技体のバランスの微妙なズレが、この試合から始まったような気がします。

公式採点は2対0でしたが、柳の勝利は明白でした。しかし119対111の大差で柳の勝利というのも行き過ぎた採点のように感じました。

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フライ級戦線に動きアリ?(色々:11‐17‐22)

2022年11月17日 05時16分08秒 | 世界ボクシング

最近(2022年11月17日ごろ)のニュースです。

1)昨年11月20日から実戦から遠ざかっているWBAフライ級王者アルテム ダラキアン(ウクライナ)。どうやら来年1月28日に、指名挑戦者ダビ ヒメネス(コスタリカ)と防衛戦を行うようです。

2)来月3日に暫定王者マクウィリアムス アローヨ(プエルトリコ)とのWBCフライ級内での王座統一戦を予定していた正規王者フリオ セサール マルティネス(メキシコ)。アローヨが負傷したため、代わったスペインのサミュエル カルモナと防衛戦を行うことになりました。

アローヨとマルティネスは一年前の2021年11月19日に対戦し、3回無効試合という煮え切らない結果を残しています。その後WBCから再戦を行うことを催促され、両陣営が交渉に上る事6度。それらすべてが実を結ばない結果となっています。

3)現在空位となっている日本ライトフライ級王座決定戦が師走の3日、大阪のエディオンアリーナで行われます。その決定戦に出場するのは冨田 大樹(ミツキ)と芝 力人(真正)となります。

4)同じ興行では、こちらも空位となっている同級のOPBF(東洋太平洋)王座が、堀川 謙一(三迫)とジョイ キャノイ(比)の間で行われます。また、WBOアジア太平洋ミニマム級王座決定戦も同時に行われる予定で、その試合には小林 豪己(真正)とマルコ ジョン リメンツォ(比)が出場を予定しています。

5)3月に寺地 拳四郎(BMB)との再戦に敗れ、WBCライトフライ級王座から陥落した矢吹 正道(緑)。9月に世界ランカー タノンサック シムシー(タイ)に見事な勝利を収め戦列に復帰しています。すでに矢吹の次戦は決定しており、1月28日にロナルド チャコン(ベネズエラ)と対戦します。

6)現在空位となっている日本スーパーバンタム級王座決定戦が来月26日、後楽園ホールで行われます。この試合に出場するのは共に元同タイトル保持者の田村 亮一(JB Sports)と古橋 岳也(川崎新田)。両者は2019年9月に8回戦で対戦しており、その時は古橋が判定勝利を収めています。

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エドワーズ、強豪アルバラードを退ける(IBFフライ級)

2022年11月16日 05時13分46秒 | 世界ボクシング

先週11日・金曜日、英国で行われた試合結果です。
IBFフライ級戦:
王者サニー エドワーズ(英)判定3対0(116-112、115-113x2)挑戦者フェリックス アルバラード(ニカラグア)

*減量苦のためそれまで保持していたIBFライトフライ級王座を返上し、同級に進出してきたアルバラード。18戦全勝(4KO)と、軽打ながらも安定したボクシングを展開するエドワーズに挑戦する事になりました。

試合は終始、アルバラードが攻め、エドワーズが捌くという予想通りの展開に終始。英国人が技巧でニカラグア人の強打を外し続け、僅差ながらも明白な判定勝利。昨年4月に獲得した王座の3度目の防衛に成功しました。

2013年師走に初来日し、井岡 一翔(志成)が当時保持していたWBAライトフライ級王座に挑戦し、判定負けを喫しているアルバラード。その試合からもう9年も経つんですね。その後IBF王座を獲得したアルバラードは2019年5月に再来日し、小西 伶弥(真正)の挑戦を退けています。今回の2度目の世界フライ級王座挑戦に敗れたアルバラードですが(一度目は一翔戦から僅か半年後)、現在のフライ級ではトップレベルの実力者である事には変わりありません。今後も活躍が期待できるでしょう。

下記は2022年11月16日現在の、同級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:アルテム ダラキアン(ウクライナ/防衛回数5)
WBC:フリオ セサール マルティネス(メキシコ/3)
WBC(暫定):マクウィリアムス アローヨ(プエルトリコ/0)
IBF:サニー エドワーズ(英/3)
WBO:空位
OPBF(東洋太平洋):桑原 拓(大橋/0)
WBOアジア太平洋:加納 陸(大成/0)
日本:ユーリ 阿久井 政悟(倉敷守安/3)

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銀次郎、世界初挑戦が決定(IBFミニマム級ほか)

2022年11月15日 05時36分09秒 | 世界ボクシング

来年2023年1月6日、エディオンアリーナ大阪で予定される試合です。
IBFミニマム戦:
王者ダニエル バジャダレス(メキシコ)対 挑戦者重岡 銀次郎(ワタナベ)

WBOミニマム級戦:
王者谷口 将隆(ワタナベ)対 挑戦者メルビン ジェルサレム(比)

*いいですね、新年早々に日本国内で世界戦が見られるというのは、しかも2つ同時に。新たな年の早い時期に日本で世界戦が行われるのはいつ以来になるのでしょうか?ここ最近はコロナ云々に関わらず、早くても3月というのが定着していました。

何はともあれ、8戦全勝(6KO)の銀次郎には王座奪取の期待が大いに寄せられます。本当は彼には日本人選手にとり鬼門であるタイに乗り込み、WBAスーパー王者のノックアウト CP フレッシュマートか、WBC王者パヤン プラダブスリを豪快に沈めてほしかったのですがね。兎にも角にも銀次郎、そして谷口には浪速のリングで2023年の好スタートを切って貰いたいものです。

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モレル、残り26秒で仕留める(WBAスーパーミドル級:レギュラー王座)

2022年11月14日 05時46分24秒 | 世界ボクシング

今月5日、米国ミネソタ州で行われた試合結果です。
WBAスーパーミドル級戦(レギュラー王座):
王者デビット モレル(キューバ)TKO12回2分34秒 挑戦者アイドス イェルボスヌイ(カザフスタン)

*コロナ禍の真っただ中だった2020年8月に、プロ僅か3戦目で暫定王座を獲得してモレル。その後定期的に試合を行い、今回の指名挑戦者との防衛戦である対イェルボスヌイを迎えました。

前評判が高いイェルボスヌイを迎えたこの戦いで、モレルはその攻防能力の高さを遺憾なく披露してました。フルラウンドに渡り、サウスポースタイル(左構え)からの右ジャブと、華麗なフットワークで挑戦者を圧倒し、11回終了時点までに大差(3対0:110-99x2、108-101)でリード。

迎えた最終回、ダメージが募った挑戦者から軽いワン・ツーでダウンを奪ったモレル。その後、イェルボスヌイは過度なクリンチのため減点を科されましたが、大勢に影響を与えることはありませんでした。モレルは試合再開後、再び挑戦者をキャンバスに送りそこで試合は即終了。キューバ人が圧勝で防衛回数と白星を増やすことに成功しています。

試合後、昏睡状態に陥ってしまったイェルボスヌイ。試合終了から一週間以上経ちましたが、危険な状態が続いているようです。しかし容態は安定しているとの事。早期の回復を願っております。

一戦ごとに、実力と経験値を高めているモレル。モレルが一角を占める2022年11月14日時点での、スーパーミドル級王者たちの顔ぶれは下記のようになります。

WBA(スーパー):サウル アルバレス(メキシコ/防衛回数5)
WBA(レギュラー):デビット モレル(キューバ
/5)
WBC:サウル アルバレス(メキシコ/4)
WBC(暫定):デビッド べナビデス(米/0)
IBF:サウル アルバレス(メキシコ/1)
WBO:サウル アルバレス(メキシコ/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:空位

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あの試合から30年(統一ヘビー級)

2022年11月13日 05時53分20秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1992年11月13日、米国ネバダ州ラスベガス、トーマス&マックセンターで行われた試合結果です。
統一ヘビー級戦(IBF/WBA/WBC):
挑戦者リディック ボウ(米)判定3対0(117-110x2、115-112)王者イベンダー ホリフィールド
(米)

*私(Corleone)にとっての最大、最高の世界ヘビー級戦が行われたのはもう30年も前になるんですね。小柄なホリフィールドが、大柄で自身より若いボウに向かい続けた姿はカッコよかったです。

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今週末の試合予定

2022年11月12日 05時40分15秒 | 世界ボクシング

2022年11月第二週末の主な試合予定です(2022年11月12日から11月18日まで)。

12日 土曜日
米国ネバダ州
WBOミドル級戦:
王者ジャニベク アリムハヌリ(カザフスタン)対 挑戦者デンゼル ベントレー(英)

17日 木曜日
後楽園ホール
日本ライト級戦:
王者宇津木 秀(ワタナベ)対 挑戦者ジロリアン 陸(フラッシュ赤羽)

日本ミニマム級戦(王座決定戦):
重岡 優大(ワタナベ)対 仲島 辰郎(平仲)

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ラヒモフ、逆転TKOで新王者に(IBFスーパーフェザー級)

2022年11月11日 05時45分25秒 | 世界ボクシング

今月5日、アラブ首長国連邦で行われた試合結果です。
IBFスーパーフェザー級戦(王座決定戦):
シャフカッツ ラヒモフ(タジキスタン)TKO9回2分35秒 ゼルファ バレット(英)

*3回にダウンを奪うなど、8回終了時まではバレットが試合を大きくリードしていました。しかし9回、英国人は右足に違和感が出たのか、突然と動きが止まってしまいます。相手のピンチは自分のチャンスという鉄則を着実に守ったラヒモフは、連打で2度のダウンを奪いそのままTKO勝利。逆転劇を演じると同時に、空位となっていた王座の獲得に成功しました。

タジキスタン人は2度のダウンを奪いましたが、どちらともパンチによるダメージというより、バレットが自分の体を支えきれずに押し倒されたというもの。しかし「運も実力のうち」。ラヒモフが勝利を収めた事実に変わりありません。

下記は新IBF王者が誕生した2022年11月11日現在の、スーパーフェザー級王者たちとなります。

WBA:ルイス ガルシア(ドミニカ/0)
WBC:空位
IBF:シャフカッツ ラヒモフ(タジキスタン/0)
WBO:空位
OPBF(東洋太平洋):力石 政法(緑/1)
WBOアジア太平洋:木村 吉光(志成/0)
日本:坂 晃典(仲里/2)

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