最近(2023年11月16日ごろ)のニュースです。
1)IBFはこの度、テレンス クロフォード(米)が保持していたウェルター級王座を剥奪。暫定王者だったジャロン エニス(米)が正規王者に昇格しました。
2018年6月以降指名挑戦者との防衛戦が行われていなかったIBFウェルター級。クロフォードを含め、前王者エロール スペンス(米)も指名挑戦者との防衛戦を延期し続けてきたため、致し方ないと言っていいのではないでしょうか。ただクロフォード陣営からすると、IBFウェルター級王座を獲得してから僅か2ヶ月半で王座剥奪というのは納得出来ないでしょう。前王者スペンスは再三怪我のために防衛戦を延期していたのですから。
2)現在、複数の階級でIBFと別の団体の王座を同時に保持している王者たちが君臨しています。IBFがそれらの王者たちに対し、どのような対応をするのかにも注目が集まっています。
IBFを含め、3つのヘビー級のベルトを保持しているオレクサンデル ウシク(ウクライナ)は、WBC王者タイソン ヒューリー(英)との王座統一戦がすでに内定。もしヒューリーとの一戦が即実現しない場合、IBFの指名挑戦者フィリップ ウルゴビッチ(クロアチア)との防衛戦を行うようです。
WBA以外の3つのライトヘビー級王座を保持しているアルツロ ベテルビエフ(露/カナダ)は来年1月に、延期となっていたWBCの指名挑戦者カラム スミス(英)との防衛戦を予定。IBFの指名戦の話はスミス戦後に出てくるでしょう。
3)ヘビー級とライトヘビー級のIBF王座の動きはしばらくなさそうです。しかしそれ以外の階級では、近いうちに何かしらの動きがあると予想します。
IBFからも優遇されている感のあるスーパーミドル級の4団体統一王者サウル アルバレス(メキシコ)。同級で最後の王者と指名挑戦者の一戦が行われたのは、かなり前と記憶します。遅くとも来年の前半中にはスーパーミドル級でもIBF王座に変動があるのではないでしょうか。
ライト級の4つのベルト統一に成功したデビン ヘイニー(米)ですが、すでにWBC王座は手元にはありません。ヘイニーは来月にWBCスーパーライト級王者レジス プログレイス(米)に挑戦する事が決まっており、その試合の勝敗に関わらず、ライト級のIBFタイトルは空位になる事でしょう(既になっているかもしれません)。
クロフォードに続いて、近い将来に戦わずしてIBF王座を失いそうなのがスーパーウェルター級ジャモール チャーロ(米)。すでにWBO王座は戦わずして失っており、他の2つのベルト(WBAとWBC)の行方も不透明。早ければ年内にも、何らかの動きがあるかもしれません。
4)上記に挙げた階級の、IBFが認定している最上位ランカーは次のようになります。
ヘビー級:フィリップ ウルゴビッチ(クロアチア/16戦全勝13KO)。昨年夏に指名挑戦権を獲得。
ライトヘビー級:ミハエル アイファート(独/Eifert/12勝4KO1敗)。今年3月に敵地カナダに乗り込み、元世界王者ジャン パスカル(カナダ)に大差判定勝利を収め指名挑戦権を獲得しています。
スーパーミドル級:ウィリアム スカル(キューバ/21戦全勝9KO)。キャリア前半はアルゼンチンを主戦場にしていましたが、2019年以降はドイツを拠点としています。
スーパーウェルター級:バラクム ムルタザリエフ(露/21戦全勝15KO)。キャリア前半から米国を拠点にしており、世界戦リング初登場も近々あるのではないでしょうか。1位の座に就いてから3年以上経ちます。この3年間、定期的に試合を行っています。
ライト級:1位は空位。2位のジョージ カンボソス(豪)と3位のワシル ロマチェンコ(ウクライナ)の対戦が、しばしば噂されています。
5)WBCはBoxRecに同団体のみが認定しているブリッジャー級と、現在その王座を保持しているルカス ロザンスキ(ポーランド)がレコードに反映されていないことに大変憤慨している様子。WBCは今後、BoxRecをサポートしていかないと発表しています。
6)日本ミドル級王者国本 陸(六島)が来月17日、大阪市住吉区民センターで中田 勝浩(井岡弘樹)対戦します。この試合には現在空位のWBOアジア太平洋王座が争われますが、現在のところ国本が保持している日本国内王座は賭けられないようです。