うららかな春の陽射しの下、国立劇場前の桜が、のどかな昼のひとときを演出してくれる。
誘われて出かけた国立劇場、「日本歌謡史100年!~昭和編~」と題した、五木ひろし公演楽日の25日。
劇場正面玄関のガラスの扉が鏡となって、そこに映しだされた人影のくつろぎに、春うららが見える。左端に映るカメラを構えた怪しげな黒い影は、このブログの主。
特に五木ひろしファンというわけでもないが、そのほとんどが、自分の持ち歌ではなく、昭和の歌謡史を飾った歌の数々で構成され、懐かしさに浸ることができた。
歌好きの僕にとって、彼が歌う昭和の名曲すべてが懐かしく、若かりし頃がよみがえる。
暇さえあれば歌を歌っていた少年の頃。母は近所の人によく聞かれたという。「今日は祐ちゃんの歌う声が聞こえないけど、学校からまだ帰ってないの?」と。
兄弟の多い我が家は、風呂の順番も大変だ。早く入れと言われた風呂の中でも歌っている。すると親父は早く出ろ、という。「早く入れと言ったのに今度は早く出ろって、僕はどうすりゃいいんだ!」と、食ってかかった昔を思い出させた五木ひろし公演だった。