「姥桜はええなぁ、色香がある」。桜守の佐野藤右衛門さんは、著書(聞き書き)「櫻よ」の中でこう話す。花にはみな「色気」がある。その色気を通り越すと色香にかわる。桜も姥桜になると、それまでの「色気」にかわって、ものすごい「色香」が出る。そうなると本物や。藤右衛門さんの話は面白い。
暖かな陽射しの下、満開の桜に、土曜日の上野公園は人も満開。春爛漫である。

桜は、年老いても自分で調整しながら、また来年、一生懸命きれいな花を咲かせてくれますから、「よう頑張ってるな」という気持ちをこめて、ほめてやるつもりで鑑賞したらええんですわ。(藤右衛門さん)
不忍池に落とした弁天堂と桜の花影もさざ波に揺れ、色香が漂う。
ボート池では、老若男女、様々なカップルが春爛漫を謳歌していた。



女性もそうや、花の盛りは短いかもしれんけど、染井吉野みたいに早めに朽ち果てずに、姥桜になるまで頑張ってほしいんです。(藤右衛門さん)







さまざまの事おもひ出す桜かな
-芭蕉-
-芭蕉-