勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

夢去りぬ

2008-09-06 00:28:54 | Weblog
 夢はいつかは覚めるもの、恋もいつかは終るもの、そして命にも終わりがある。出会いには、必ず悲しい別れが訪れる。蜜月の日は、短く儚く終わりを告げた。愛しのピーチャンがいなくなった。
 仕事から帰って玄関のドアを開けるや否や、一目散に飛んできて肩に止るピーチャン。僕が部屋にいる時は、夜中でもPCの前の僕の肩に止まって動かない。話しかけると鳴き声で答え、問いかける言葉によって声のトーンを変える。会話が成り立っているのだ。それが終ると、独りで言葉をしゃべり続ける。何を言っているかは分からないが。

枯れ枝を拾ってきて、寝室にピーチャンの寝る場所を作った。

風呂から上がると、脱衣所で待っていて肩に飛び乗る。
 
寝室に行くと自分から止まり木に飛び移り、僕が起きるまで鳴くことはない。
 
 僕のそばから一時も離れず、手にするもの、口にするもの、すべてに興味を示す。僕は食事の支度も、食べることさえもできない。一度鳥かごに入れて扉を閉めたことがある。学習能力が非常に高く、一度覚えたことは忘れない。それ以来、鳥かごに入れようとすると僕の心を読んで逃げ回る。仕方なく、肩に止めて寝室に閉じ込める。ピーッ、ピーッと呼び続け、迎えに行くと怒って僕の手を咬む。

 いつものように、寝室に入れて食事をした。珍しくおとなしい。食事を済ませ、迎えに行くとどこにもいない。「ピーチャン!」と呼んでも出て来ない。僕の呼ぶ声には必ず返事をする筈なのに。

 寝室の窓は開けてあるが、すだれで覆い、レースのカーテンが半分閉まっている。しかし僅かに隙間があった。窓の外は通路、急いで見渡すが姿は見えない。12階すべての階を探し歩いた。しかし、どこにもいない。

 我が家に来たのが8月5日、それからちょうど一ヶ月。天使のような可愛さと、妖精のように悪戯好きなピーチャンは、どれほど僕の心を慰めてくれただろうか。

 いま、ピーチャンはどこで何をしてるのだろう。逃げることを知らないピーチャン、猫に近づくなよ、カラスには気をつけろよ。どこでもいい、誰とでもいい、幸せに暮してくれるなら・・・。元の飼い主も、僕と同じ思いをしたに違いない。

 我が家で覚えた「ピーチャン、カワイイ! △×%#○&@*◇?¥$ デショ?」の声が耳から離れない。