小椋佳さんは『めまい』という歌うのなかで、「時は私にめまいだけを残してゆく」と歌っている。
日が暮れる時間も徐々に遅くなりはじめ、船が残したさざなみに影を落とす冬の夕日に、移ろう時の速さを知る。冷たい風が水面をわたる隅田川にも春の香りが漂い始め、暮れなずむ都会の一日が終ろうとしている。
この世は、万物が生じ、存続し、変化し、やがて滅びる、という四つの現象が絶えず移り変わる。人間の力ではどうすることもできない無常の原理に、逆らわず心身を委ねることが生きるコツだと、兼好はいう。
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だから 暮れなずむ海の夕凪よ
いかりをほどいてゆく舟の
心とどめて・・・
「暮れなずむ」とは、日が暮れそうでなかなか暮れないでいるさまをいうのだそうだ。くれ惑う我が人生、「だから 小舟を運ぶ潮風よ 眠りにつこうとする愛を ゆりおこさないで」などと気取らなくても、またもうすぐ春は来る。
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だから 暮れなずむ海の夕凪よ
いかりをほどいてゆく舟の
心とどめて・・・
「暮れなずむ」とは、日が暮れそうでなかなか暮れないでいるさまをいうのだそうだ。くれ惑う我が人生、「だから 小舟を運ぶ潮風よ 眠りにつこうとする愛を ゆりおこさないで」などと気取らなくても、またもうすぐ春は来る。