柔道女子日本代表選手ら15人が、園田隆二・女子代表監督から暴力などのパワーハラスメント行為があったとして、昨年12月にJOC(日本オリンピック委員会)に告発文を提出していたことが29日に発覚。一夜明けた30日、全日本柔道連盟が体罰問題について記者会見を開きました。
一部スポーツ紙などの報道によると、ロンドン五輪代表選手も含まれていて、告発文には練習での平手打ち、竹刀での殴打や暴言があり、故障を抱えている選手への試合出場を強要されるなどのパワハラがあったと記され、指導体制の改善を求めたものだとされています。
全柔連での会見で、小野沢弘史専務理事が暴力行為の事実を認め謝罪。会見の中で、2010年8月から昨年12月にかけて少なくとも5件の体罰があった事を公表。主に胸を小突いたり、平手で頬を殴る蹴るの暴力があったという。昨年9月には強化合宿で暴力行為があったという情報が入り、園田監督は全柔連に始末書を提出し、厳重注意されました。その後、監督は選手に直接謝罪したそうです。今回の問題を受け、園田監督らコーチ陣を戒告処分にしました。
JOCも会見を開き、告発した15選手のうち9選手から事情を聴き、「練習中に『死ね』と言われた」という証言があったことを明かしました。
園田監督は現役時代に60キロ級で活躍し、1993年の世界選手権で優勝。引退後は女子チームの強化コーチを経て、2008年に代表監督に就任。ロンドン五輪では金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル1個と結果を残せませんでしたが、リオデジャネイロ五輪が行われる2016年までの続投が決定していました。
内柴正人被告の強制わいせつ事件、男子柔道金メダルなしに続き、またしても日本柔道界に暗い影を落とした女子代表監督の体罰問題。不祥事があった時はげ厳しい処分が下るのに、今回の件は戒告&留任。これは処分が非常に甘すぎます。選手であり女性に暴力を振るい、「死ね」と暴言を吐く指導者がなぜ解任されないのか納得できません。ロンドン五輪で日本女子柔道が惨敗に終わったのは、監督の行き過ぎた指導にあることは間違いないでしょう。全柔連側も体罰の事実を長い間も隠し続け、今頃になって公表したなんて遅いです。こういう隠蔽体質が無くならない限り、日本柔道の復活は無いと思います。
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2月1日追記
園田隆二監督が体罰事件の責任を取り、代表監督を辞任する意向を固めました。31日に開かれた記者会見で、「これ以上強化に携わっていくことは難しい」と述べたうえで、全柔連に進退伺を提出するという。また、全柔連の上村春樹会長が、JOCの強化本部長を辞任しました。
続投発表から一転して引責辞任。当然の結果です。体罰を起こした指導者は、2度と柔道に関わらないでもらいたいものです。後任には主に対話重視の指導ができる人、選手に信頼される人、あるいは女性がいいのではないかと思います。