3歳牡馬クラシックの最終戦・第75回菊花賞(GⅠ・芝3000m 18頭立て)が26日、京都競馬場で行われました。日本ダービーとの2冠を狙う⑮ワンアンドオンリー、春の巻き返しに燃える⑭トゥザワールドと⑦トーセンスターダム、神戸新聞杯2着の④サウンズオブアース、3着の②トーホウジャッカル、さらにはダービー4着⑫タガノグランパ、夏の上がり馬⑩ゴールドアクター、⑯サトノアラジン、⑥ショウナンラグーンなどがクラシック最後の1冠獲りに参戦しました。
単勝の上位人気は、1番人気がワンアンドオンリー(2.4倍)、2番人気トゥザワールド(5.3倍)、トーホウジャッカルが3番人気(6.9倍)。4番人気以降は、サウンズオブアース(8.6倍)、トーセンスターダム、ショウナンラグーン、ゴールドアクター、⑨ハギノハイブリッドと続きました。
ばらついたスタートで始まったこのレース、1周目向正面での先行争いで、好スタートを切った③サングラスが先手を奪い、⑤シャンパーニュが2番手、①マイネルフロストが3番手追走。トーホウジャッカル5番手、トゥザワールド6番手、サウンズオブアースは7番手。そしてワンアンドオンリーは中団の8番手からレースを進めます。4コーナーからスタンド前に入り、サングラスが先頭、トゥザワールドはゴールドアクターと並走、トーセンスターダムは中団より後ろに控え、ショウナンラグーンは15番手、サトノアラジン最後方でゴール板を通過した。
縦長の状態で1コーナーを回り、サングラスが依然としてレースを引っ張り、シャンパーニュ2番手、フロスト3番手、トゥザワル4番手。5番手にジャッカル、その後ろの6,7番手にアクターとワンオンが並ぶ。中団グループには、⑧ワールドインパクトとハギノハイブリッド、サウンズは内ラチ沿いの10番手。11番手⑰ヴォルシェーブ、12番手タガノグランパ、アラジンが最後方からポジションを上げる。スターダムは14番手、その後ろの15番手にラグーンが追う。後方は⑱メイショウスミトモ、⑬ミヤビジャスパー、⑪アドマイヤランディと続く。
外回り3コーナーに差し掛かり、下り坂のところで今度はシャンパーニュが先頭。トゥザワールドとトーホウジャッカルが3番手で並び、外で回るワンアンドオンリーはトゥザワルにぴったりマーク。最内からサウンズオブアースも来ている。4コーナーから最後の直線コースに入り、マイネルフロストが前に出るが、外からトーホウジャッカル、内からサウンズオブアースが追う。ワンオンは今回伸びてこない!もはや万事休すだ!トゥザワルはずるずると後退している。残り200mでジャッカルとサウンズが抜け出し、ジャッカルが先頭、サウンズが内から懸命に追いかけるも、トーホウジャッカルが先頭でゴールイン!サウンズオブアースとのマッチレースをを制したトーホウジャッカルが最後の1冠を奪取!ワンアンドオンリーは馬群に沈んだ…。
菊花賞 全着順&払戻金
1着②トーホウジャッカル 3分01秒0(レコード)
2着④サウンズオブアース 1/2馬身
3着⑩ゴールドアクター 3馬身1/2
4着⑫タガノグランパ 3/4馬身
5着⑥ショウナンラグーン クビ
6着⑯サトノアラジン 1/2馬身
7着①マイネルフロスト 1馬身1/4
8着⑦トーセンスターダム アタマ
9着⑮ワンアンドオンリー 1/2馬身
10着⑧ワールドインパクト ハナ
11着⑰ヴォルシェーブ 1馬身1/4
12着⑨ハギノハイブリッド 3/4馬身
13着⑬ミヤビジャスパー 3/4馬身
14着⑱メイショウスミトモ 5馬身
15着⑤シャンパーニュ 3馬身1/2
16着⑭トゥザワールド 7馬身
17着⑪アドマイヤランディ 1馬身1/4
18着③サングラス 大差
単勝 ② 690円
複勝 ② 280円 ④ 270円 ⑩ 520円
枠連 [1]-[2] 2310円
馬連 ②-④ 2640円
馬単 ②-④ 4470円
ワイド ②-④ 950円 ②-⑩ 1940円 ④-⑩ 2160円
3連複 ②-④-⑩ 13340円
3連単 ②-④-⑩ 59220円
3歳クラシック最終戦・菊花賞は、単勝3番人気のトーホウジャッカルが、3分1秒0のJRAレコードタイムを叩き出して優勝しました。道中は5番手辺りを走行し、4コーナーで先頭争いに加わり、残り300mのところで先頭に立ち、内で追いかけるサウンズオブアースの追撃を抑えました。サウンズオブアースは半馬身及ばず2着、3着争いはゴールドアクターが入りました。
1番人気に推されていたワンアンドオンリーは、9着に終わり2冠ならず。終始外を回され、直線で伸び脚を欠きました。先週の秋華賞でもヌーヴォレコルトが2着に敗れており、ハーツクライ産駒は京都コースが苦手だとわかりました。父親は京都で4戦2勝なんですが…。2番人気だったトゥザワールドは16着惨敗。レース後に川田将雅騎手が下馬していたので、何か怪我したのではないかと疑ってしまいましたが、大事には至らなかったようです。でも、この負け方は酷いです。
勝ったトーホウジャッカルはこれがGⅠ初制覇で、重賞2回目の挑戦で初勝利。鞍上の酒井学騎手は、同レース初勝利で、2012年のジャパンカップダート以来となるJRA・GⅠ2勝目を果たしました。同馬を管理する谷潔調教師はGⅠ初勝利。スペシャルウィーク産駒はクラシック初勝利。父は16年前(1998年)のレースで2着に敗れました。
トーホウジャッカルは生まれたときからたくさんの苦難がありました。東日本大震災が発生した2011年3月11日に生まれ、2歳の夏に腸炎を患って生死を彷徨いました。腸炎の影響でデビューが大きくずれ込み、ダービー前日の5月31日の未勝利戦でようやくデビューを果たしましたが、結果は18頭中10着。3戦目で未勝利を脱出すると、500万下のレースにも勝って2連勝。その後は玄海特別で2着、神戸新聞杯で3着に入って菊花賞の切符を掴み、迎えたこの大一番でダービー馬を一蹴してのレコードV。様々な試練を乗り越え、デビューから149日目で栄冠を勝ち取りました。本当に「奇跡の馬」としか言いようがありません。
ジャッカルの今後は未定ですが、年内にもう1走すると思います。ジャパンカップか有馬記念でもう一度奇跡を起こせるでしょうか?
来週・11月2日は、東京競馬場で秋の中距離王決定戦・第150回天皇賞・秋が行われます。GⅠ6勝を誇る名牝・ジェンティルドンナ、春の天皇賞馬・フェノーメノ、今年の皐月賞馬・イスラボニータ、昨年の菊花賞馬・エピファネイア、サマー2000シリーズ王者・マーティンボロ、デニムアンドルビー、トーセンジョーダン、ヒットザターゲット、カレンブラックヒル、サトノノブレスなど豪華メンバーが揃い踏み。イスラボニータは古馬初対戦、ジェンティルはGⅠ7勝目、フェノーメノは春秋連覇がかかっています。今年の秋天は一体どうなる!?